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ウェバーフェフナー効果②

人は変化率の方を敏感に察知するということでいうと、昨年7~9月期のGDP速報を思い起こしてしまいます。

 

2020年1~3月期 実質GDP成長率-8.3% 名目GDP成長率-7・9%

2020年4~6月期 実質GDP成長率-8.3% 名目GDP成長率-7・9%

2020年7~9月期 実質GDP成長率%5.3% 名目GDP成長率5.5%

 

4月から6月期に大幅に落ち込んだGDPが急回復したように思います。実際、新聞等での急回復という見出しが見られました。

 

しかしながら、4半期別のGDPを年率換算した実額の推移は次のとおりです。

 

2020年1~3月期(実額) 実質GDP545.7兆円 名目GDP554.8兆円

2020年4~6月期(実額) 実質GDP500.6兆円 名目GDP5110兆円

2020年7~9月期(実額) 実質GDP527.1兆円 名目GDP539.0兆円

 

コロナ前の2019年10~12月期のGDPは実質で548.7兆円、名目で557.4兆円ですから、実額で見ると、コロナ前の水準をまだまだ下回っていることがわかります。

 

実態は変化率ではなく実額であるわけですから、変化率に惑わされないように気をつけたいところです。

ウェバーフェフナー効果①

ウェバーフェフナー効果とは、変化量よりも変化率の方を敏感に察知する傾向のことです。

 

たとえば、リュックサックに追加の重量を加えたときにそれを察知できるかというシーンです。仮にいま背負っているリュックサックの重量が10Kgだとしたら、そこに350g(350nl)のビール缶を1つ載せたとしても気がつかないという人は多いでしょう。350mlの缶ビールは決して軽くはないのですが、10Kgが10.35kgになっても、その比はわずかであり、気がつかない人もいるわけです。

 

ところが仮にリュックに何も入っておらず、そのリュックの重さが500kg程度だったとしたら、そこに350gの缶ビールを入れて気がつかない人はいないでしょう。加えられた重量は同じ350gでも今回は重量が一気に1.7倍にもなってしまったからです。人は量より比率の変化にこそ敏感なのです。

 

ビジネスでもこの効果は生じます。たとえば毎日定時に帰っている人の30分の残業を支持すれば、「かなりの残業を指示された」と感じるでしょう。それに対し、すでに5時間残業している人に対し、「もう30分だけ残業して」と言っても、今さらたいして差を感じないでしょう。

 

マーケティングやセールスにおける応用も可能です。たとえば高額のスーツの購入を決めたお客に、追加でシャツやネクタイを薦めるといったケースです。スーツ代に比べれば、シャツやネクタイの値段の比はわずかに感じられ、購入してしまうというパターンです。

 

 

【参考】

MBA 心理戦術101』グロービス著 文藝春秋

 

フロリダ効果

フロリダ効果とは、先行情報に引っ張られて行動が変わってしまう傾向のことをいいます

 

フロリダ効果はもともとアメリカで行われた心理実験から名付けられたものです。この実験で、被験者たちは、様々な単語を用いて作文することを指示されました。そして、あるグループには「フロリダ、忘れっぽい、皺、シミ、ハゲ頭」といった言葉が与えられたのです。

 

フロリダ州は温暖な土地であることから、引退した高齢者が多く住む州と言われており、実際に高齢者比率が高いことでも知られています。当然、被験者たちは、他の単語も使い、高齢者に関する文章を作りました。

 

ただ、研究者の狙いは別のところにありました。彼らは作文の内容ではなく、彼らがどのような行動をとるかに着目したのです。結果として、その被験者のグループが別室に移る際、まるで老人のように歩くスピードが遅くなっていったのです。逆に若者をイメージする言葉を与えられたグループは歩くスピードも速くなっていきました。つまり、言葉の与えられ方により、人々の行動が変わったのです。フロリダ効果は、プライミング効果が直接的に行動に影響を与えるものと見なすこともできます。

 

他にも実験があります。暑い部屋で「暑い、暑い、暑い」と何度も言う人(サクラ役)がいるグループは、そのような人がいないグループに比べて、実際に暑く感じ、体温分布にも影響が出たそうです。

 

これは、「疲れた、疲れた」というマネージャーの口癖が、部下の疲労度を増す可能性などを示唆します。独り言をよくつぶやく管理職もいますが、その何気ない独り言が、部下の働き方や感覚に影響を与える可能性もあるのです。

 

 

【参考】

MBA 心理戦術101』グロービス著 文藝春秋

 

メラビアンの法則

メラビアンの法則とは、矛盾した言語的・非言語的メッセージが発せられた時に、人が何に影響されるかを示す法則です。

 

実験では、まず、「好意的」「中立的」「嫌悪的」なニュアンスを持つ言葉を選び、それらを「好意的」「中立的」「嫌悪的」な声のトーンでテープレコーダーに録音し、さらに「好意的」「中立的」「嫌悪的」な表情の顔写真を用意しました。その上で、これらを同時に被験者に示したときに、どの要素が最も効くかを調べたのです。

 

たとえば、中立的な言葉を否定的な声のトーンで、かつ肯定的な写真を見せながら被験者に印象を聞くと、彼らは見た目に最も影響されました。

 

ちなみに影響を受けた要因の順番は次のとおりです。

 

ビジュアル 55%

ボーカル 38%

言葉 7%

 

ちなみに、よく「メラビアンの法則=最も人に影響を与えるのは中身より見た目」という紹介がされますが、これは正しくありません。あくまで判断がしにくい場合には見た目が大事ということであって、別に中身が重要ではないということを示したものではありません。

 

しかしながら、見た目が重要というのは然りです。美談美女が得をするというのが世の習いですが、自信を持った態度や振る舞いは誰でも取り入れやすいでしょう。

 

 

【参考】

MBA 心理戦術101』グロービス著 文藝春秋

フロー

■フローとは?

 

みなさんが無我夢中になれることは何でしょうか?スポーツや趣味に没頭しているときはそれこそ時間を忘れるといったことがあるかと思います。

 

このように何かに集中・没頭しており、そこから幸福感を得ているような状態のことを、フローといいます。スポーツの世界ではゾーンに入ったと言われますが、おおよそ同じ意味です。

 

フローは心理学者のミハイ・チクセントミハイによって提唱された概念で、学習論の世界でも「集中して勉強や仕事に取り組めるようにするには、どのような条件が求められるか?」といった文脈で語られます。

 

 

■フローの状態になるための4つの条件

 

フローの状態になるためには、次の4つの条件があります。

 

  自分の能力に対して課題が適度に難しい

  対象を自分でコントロールできる

  結果に対して直接的なフィードバックがある

  集中を妨げるものがない

 

何かに集中・没頭して時間を忘れるような経験があれば、それはフローの状態であり、自分が向いていることかもしれません。

 

フロー状態で仕事に取り組むことが望ましいでしょう。しかしながら、ビジネスパーソンとしては複数の仕事を抱えていることが一般的であり、4つめの「集中を妨げるものがない」を満たすことが難しいでしょう。せいぜい雑務的なことはまとめて片付けてしまい、集中する環境を作ることぐらいでしょうか。

 

【参考】

『フロー体験 喜びの現象学』M. チクセントミハイ著 世界思想社

『ビジネスでいちばん大事な「心理学の教養」』酒井穣著 中央公論新社

 

プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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(お急ぎの場合は携帯電話までご連絡ください)

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