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スティンザー効果

スティンザー効果とは、小集団における心理的効果・原則を研究し発見した原則で、主に会議の中で見られる集団心理です。心理学者スティンザーによって唱えられました。これには3つの内容があります。

 

  正面に座る人は反対意見であることが多い

実際、過去に対立した人も正面に座りやすい傾向があるようです。異なる立場から議論をさせたい場合は、反対同士で座らせ、無用に意見の対立を生じさせたくない場合は反対同士にならないように座らせるといった工夫が必要です。

 

  ある発言のあとには反対意見が出ることが多い。

そうなるとそこで両者間で議論が紛糾してしまい、デットロックに乗り上げてしまう可能性があります。よって一通り議論を聞いてから反対意見を述べさせるような工夫が必要です。

 

  議長の主導権が強い場合は隣同士、弱い場合は正面同士で私語を交わすことが多い

議長のグリップが弱いと大っぴらに私語をしてしまうということでしょう。

【参考】

『ビジュアル 職場と仕事の法則図鑑』堀公俊著 日経BP

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プレゼンのためのフレームワーク

プレゼンは事前の論理展開のデザインが重要です。プレゼンのためのフレームワークには、次のようなものがあります。

 

FABE

Feature (特徴):本提案の特徴、概要説明

Advantage (優位性):利点・優位性

Benefit (顧客便益):顧客の得られるメリット

Evidence(証拠):提案を裏付けるデータ、実績等

 

PREP

Point(要点・結論)

Reason(理由)

Example(具体例)

Point(結論)

 

Asis/Tobe

Asis(現状)

Tobe(理想)

Problem(問題)

Solution(解決)

 

〇3Whats

What?(事実:起きた事実や学んだ知識は何か?)

So what?(解釈:その事実・知識から、どのような気づきを得たか?要するに何を学んだのか?)

Now what?(行動;その気づきを、これからどう活かすか?次の一歩は何か?)

 

【参考】

『ビジュアル 職場と仕事の法則図鑑』堀公俊著 日経BP

 

依頼への納得感を高めるには

相手に依頼する際には相手に納得感を持ってもらう必要があります。納得感を高めるためには、次の3つが求められます。

 

〇必要性

「今、私たちに○○が求められている」

問題を指摘する、危機感を煽る

 

〇有用性

「○○をすればこんなよいことがある」

功利的説得:相手の利益やメリットを強調する説得

規律的説得:相手の規範や道徳観に訴えかける説得

情緒的説得:相手の感情の訴えかける説得のしかたです。

 

〇実現可能性

「あなたが〇〇をやれば必ずできる」

成功例を示す、手順を示す、懸念を払拭する

 

 

また、似たようなものに、意思決定の優先基準というものがありますが、相手への説得にも使えるでしょう。

 

重要度:その意思決定は重要か?⇒この依頼は重要である

 

緊要度:その意思決定をすぐに行わなければならないか?⇒事態が切迫しているので依頼している

 

実現可能性:その意思決定を実行・実現するためのリソースがあるか?⇒あなたには私の依頼を実現できる力がある。

 

 

【参考】

『ビジュアル 職場と仕事の法則図鑑』堀公俊著 日経BP

       

交渉の4つのステップ②

前回の交渉の4つのステップの続きです。具体的な内容は当ブログでも以前触れましたが振り返っておきます。

 

■交渉すべきかどうかを算定する

 

まず交渉した場合のメリットとデメリットを挙げて、「そもそも交渉するに値するか」を検討します。たとえば「相手の機嫌を損ね、人間関係を失う」といったデメリットのほうが大きく、交渉しないほうが良い場合もあります。また、交渉というと「どうしても話をまとめなければならない」と考えがちですが、自分にとって利益がないのであれば、交渉は打ち切るべきです。

 

■情報を集めて準備する

 

交渉すると決まったら、次のことを考えましょう。

 

・自分はこの交渉で何を得たいのか。

・得たい利益の最高目標と最低目標はどこか。

 

この範囲をZOPAZone Of Possible Agreement:ゾーパ、交渉が妥結する可能性のある条件範囲)と言います。できるだけ最高目標に近づけたいですが、相手の出方を見ながら譲歩します。最低目標を下回るのであれば、交渉を打ち切ります。

 

なお、利益の最低目標の基準となるものに、BATNA(バトナ:Best Altenative To a Negotiated Agreement)があります。これは、「交渉が決裂した時の対処策として最も良い案」のことです。たとえば転職活動での条件交渉で言えば、現在の勤め先の労働条件がBATNAになるでしょう。BATNAが貧弱だと交渉力は弱くなります。

 

・この交渉は、3つのパターン(分配型・価値交換型・利益創造型)のどれか

 

交渉には次の3つのパターンがあります。

 

分配型交渉:限られたパイをめぐって、相互が自分の取り分(利益)の最大化を図るために行う交渉のこと。

利益交換型交渉:パイは限られているが、自分が重要でない部分は譲り、その代わり自分にとっては重要だが相手にとっては重要でないものを引き出すというもの。

創造的問題解決型交渉:交渉当事者が協力し合ってパイを拡大するというもの。

 

できるだけ価値交換型や利益創造型の交渉にならないか検討します。

 

・協議事項を整理する

ビジネスの交渉では、協議することが1つということはまずありません。たとえば売買交渉であれば、価格、納期、支払い条件、オプション対応など協議することはいくつもあります。協議(あるいは自分にとっての利益)をできるだけ多く挙げ、優先順位や話し合う順序を考えます。

 

 

■相手の意見を聞く

 

交渉の過程で、相手の事情を多く引き出し、判断の材料にします。交渉のエキスパートは、みな「聞き上手」です。できるだけ多く相手にしゃべらせて情報を集め、こちらはあまりしゃべらず手の内を明かさないようにします。

 

 

■パッケージで提案する

 

準備段階で挙げておいた自分の複数の利益のうち、譲れるものは譲り、代わりに相手にも譲ってもらいます。ここで大事なことは「自分と相手に利益の違いはないか?」「自分には価値がないが相手には価値があるものはないか?」考えることです。

 

売り手側の優先順位が「価格>納期>支払い条件」の順で、買い手側の優先順位が「納期>支払い条件>価格」の順であれば、売り手が納期や支払い条件で譲り、買い手が価格で譲ることで、お互いが納得できる取引にまとまるでしょう。

交渉の4つのステップ①

交渉が上手な人というと、パワーネゴシエイター、すなわち押しが強かったり、その場の駆け引きが上手だったりする人をイメージするかもしれません。

しかしこれは誤りです。上手な交渉の条件は、「よく準備をする」ことです。交渉の成否は8割がた準備段階で決まるといっても過言ではありません。今回は、交渉にあたり準備すべきことを、順に取り上げていきます。

 

交渉は、次の4つのステップに分かれます。

 

①交渉すべきかどうかを算定する(ASSESS

②情報を集めて準備する(PREPARE

③相手の意見を聞く(ASK

④パッケージで提案する(PACKAGE

 

交渉の目的は、「自分の利益を最大化すること」です。よって、準備段階で自分の得たい利益を明らかにしておく必要があります。

 

交渉では相手との利害の対立があり、自分の主張がそのまま通るわけではありませんから、「譲れる部分はどこか、譲れない部分はどこか」を想定しておく必要があります。また相手の情報を多く知っていれば、交渉の過程でそれだけ様々な選択肢を提案しやすく、対立を解消しやすくなります。

 

【参考】

「スタンフォードでいちばん人気の授業」佐藤智恵著 幻冬舎

プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
※ (at) は @ に置き換えて下さい
(お急ぎの場合は携帯電話までご連絡ください)

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