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説得力を上げるためのCRFの原則

メッセージの発信は前結論が基本だということを取り上げました。CRFの原則とは、そのための論理の組立をしめしたものです。

 

CRFの原則>

Conclusion(結論)

Reason(理由)

Fact(裏付け)

 

まず結論を示し、その結論の根拠(理由)を示します。根拠の切り口はいくつかありますが、提案を行う場合、最も一般的なのは、「重要度・緊要度・実現可能性」の3つでしょう。

 

<理由の切り口>

重要度:この提案がいかに重要か?

緊要度:なぜこの提案をすぐに行わなければならないか?

実現可能性:この提案を実行・実現するためのリソースがあるか?

 

たとえば自社はこれまで新製品の展示会への出展がなく、あなたが新製品展示会の出店を提案したとしたら、次のような構成になります。

 

結論

幕張メッセの○○EXPOに我が社も出店すべきである。

 

理由:

・この度の新製品は社運をかけたものであり、大々的な認知活動が必要だ(重要度)

・同業他社はすでに何度も出店しており、販売実績を伸ばしている(緊要度)

・すでに出展の受付が始まっており、今なら新規出展のキャンペーン期間中で費用が抑えられる(緊要度)

・社内の山田さんは前職で出展経験のがあり、そのノウハウが活かせる(実現可能性)

・行政が提供している専門家のサポートが受けられる(実現可能性)

 

裏付け

・自社の製品別の売上・利益データ(重要度の裏付け)

・新製品の販売目標データ(重要度の裏付け)

・同業他社の出展状況(緊要度の裏付け)

・山田さんの証言や行政の支援プログラムの内容(実現可能性の裏付け)

 

この構成は、口頭でのプレゼンのみならず企画書全般で使われるものです。私は中小企業の事業計画書作成のお手伝いをすることがありますが、この場合もCRFの原則に沿って作成します。

 

 

【参考】

『ビジュアル ロジカル・シンキング』平井孝志、渡部高士著 日本経済新聞出版社

根拠は多ければよいわけではない

■根拠の数は多いほどよいわけではない

一般的に提示する根拠の数が多いほど、主張の説得力は増すと考えられていますが、かえって説得力を失う場合があります。次の例を考えてみましょう。

結論:捕鯨はやめるべきである。
根拠1:鯨は高度の知能をもった高等な哺乳類である。
根拠2:欧米の動物愛護団体の反発を招き、大規模な日本製品の不買運動が展開される必要がある。



根拠1では、「高等な哺乳類は食してはいけない」という本質論ですが、根拠2では、鯨の話など一切出てきません。単に商業捕鯨再開が招きかねない経済的制裁を憂慮しているにすぎません。よって、もし捕鯨再開でも何の反発もなければ鯨などいくら獲ってもよいというということになります。つまり根拠2を付け足すことでかえって、結論の説得力が失われてしまうのです。


もう1つ例を見てみましょう。

結論;総理大臣の靖国神社参拝に反対である。
根拠1:憲法で規定した政教分離に反する。
根拠2:中国などの反発を招き、経済関係が損なわれる。



これも根拠1が本質論であるのに対し、根拠2では都合だけが話題になっています。諸外国の反発さえなければいくらでも参拝してよいということになります。


■根拠選択は慎重に

人の主張を聞いていると、本質的な根拠と都合による根拠を並列するケースが多いです。往々にして都合のほうが本音だと思いますが、相手の主張の背景にあるものを把握することで、こちらも準備することができます。

逆に、自分が主張する場合でも、根拠の提示がいまいちで、根拠間の整合性をとらないと、相手に見透かされてしまうことになります。
都合優先ということも場合によってはありだと思いますが、少なくとも「本質論でいくべきか」「都合でいくべきか」明確にしたほうが、相手に訴える力が増すでしょう。


【参考】
『論より詭弁~反論理的思考のすすめ』香西秀信著 光文社

詐欺にひっかかりやすい人③

前々回に取り上げた心理テストの解説の続きです。

④誠実な人ほど危ない
第5問 どんなときにも、人に嫌われないように振舞う。
第8問 意見が合わないときは、相手に譲ることが多い。
第11問 かなりのお人好しだと言われる。
第17問 自分がどう思われているのか、いつも気になる。
第20問 知らない人の前でも見栄をはってしまう。
第22問 店の人に褒められるとその気になって買ってしまうことが多い。
3~6点⇒要注意!  10点以上⇒危険!!
これらの項目は、エチケットやマナーをどれくらい意識しているか、人間関係をどれくらい優先して行動しているかをチェックするものです。
これらの項目に当てはまる人ほど、心優しく、誠実な態度で人と接していると言えます。ところが、残念なことに、騙される危険性もそのぶん高いのです。

⑤権威に対して弱い
第4問 肩書きのすごい人にはかなわないと思う。
第10問 有名人やブランド物に弱い。
第16問 自信たっぷりに話されると影響される。
2~3点⇒要注意!  5点以上⇒危険!!
これらは、騙そうとする人によくある特徴をとらえています。たとえば専門家や権威者を語るのは、詐欺の代表みたいなものです。つまり、これらの項目に当てはまる人は、話の内容以前に、相手を信用してしまい、騙される傾向が強いと言えます。

⑥集団に影響されやすい
第6問 周囲の人や知人など、みんなの一致した意見にはいつも合わせる。
第12問 大勢の中では、問い直したり意見を言ったりするのは苦手。
第18問 何でも気軽に相談できる知人は少ない。
第21問 宴会で一気飲みをコールされると断れないだろう。
2~4点⇒要注意!  7点以上⇒危険!!
これらの項目は、あなたが集団の影響力にどれくらい弱いかを示唆しています。当てはまる人は、それだけ集団の中で騙しに遭いやすいと思われます。

以上、全部で25項目ありました。「総合危険度」で言うと、合計で、
15点まで ⇒ ひとまず安心   
25点まで ⇒ 注意が必要!
36点以上 ⇒ とても危険!


ちなみにこの心理テストは作成途中段階で科学的な裏付けがあるものではないそうですので、あくまで参考と捉えてください。
この心理テストを取り上げたのは、ただ悪徳商法や詐欺に騙されないためではありません。悪徳商法や詐欺に限らず、あるいは相手に悪意があるないにかかわらず、騙されるケースは多くあります。マスコミや学者、その他専門家と言われる人であっても、それが必ずしも正しいとは限りません。情報リテラシー、あるいはクリティカルシンキングを養う意味でも今回の心理テストを参考にしてみるとよいと思います。


【参考】
『だましの手口』西田公昭著 PHP研究所

詐欺にひっかかりやすい人②

前回挙げた心理テストは、みなさんがだまされやすいかどうか、その危険度をチェクするためのものです。すべての問題に0点でない方は、どこかに危険が潜んでいます。『だましの手口(西田公昭著 PHP研究所)』の解説を載せておきます。

①まさかの備えが足りない
第1問 私は詐欺に狙われるようなタイプではない。
第7問 詐欺被害にあった人は、正直言うと、少し馬鹿なのかと思う。
第13問 家族や仲の良い友人にも話せないことがいくつかある。
第25問 詐欺に遭った人は、とても運が悪いと思う。
2~4点⇒要注意!  7点以上⇒危険!!
これらの項目は、まさか、自分が被害に遭うなんてありえないと思う心理傾向を測っています。つまり、不意をつかれる可能性があるのではないかと案じられるのです。
もし、これらの項目にチェックが多ければ、あなたは不意打ちに対して無防備ということですので用心したほうがよいでしょう。

②ストレス攻撃への抵抗力が弱い
第3問 苦情を言われるとすぐにへこんでしまう。
第9問 人の愚痴を長時間聞くのは耐えられない。
第15問 甘い気分に浸ると、なしくずしになりやすい。
第23問 待ち合わせの時間に遅れてくる人を待つのは苦手だ。
2~4点⇒要注意!  7点以上⇒危険!!
これらの項目は、だましに利用されやすい心の状態を探るものです。不安や恐怖のような否定的な感情にさらされた状態や、ストレスフルな出来事に見舞われた状態などは、詐欺やマインド・コントロールのだましにはつきものです。
あなたがもし、これらの項目に当てはまるなら、動揺しやすかったり、そうした不安定な状態に弱く、常に快適な状態を求めるといった傾向が強いことを示しています。

③非科学的な考えをしがち
第2問 運勢や性格の占いを信じるほうだ。
第14問 自分で見たり経験したりしたことこそが真実である。
第19問 甘い話には気をつけてはいるが、一応話だけは聞いておく。
第24問 知人が「効いた」「良かった」ものは、すぐやってみようと思う。
2~4点⇒要注意!  7点以上⇒危険!!
これらの項目は、非科学的な思考スタイルを持っているかどうかを調べるものです。
得点に高い人は、神秘的な事象や自分や他者の経験を、根拠が薄くともやすやすと簡単に信じてしまう傾向にあると思われます。つまり、実証性に乏しくても、生々しい体験に引きずられてしまうのです。

(つづく)

【参考】
『だましの手口』西田公昭著 PHP研究所

詐欺にひっかかりやすい人①

今日、ネット社会の進展もあって様々な詐欺や悪徳商法の手法が駆使されています。振り込め詐欺、オレオレ詐欺、架空請求詐欺、還付金詐欺、証拠金取引詐欺、催眠商法、アポイントメント商法、デート商法、キャッチセールス、点検商法、マルチ商法、霊感商法・・・挙げだしたらキリがありません。
被害に関する報道を聞くと、「なんでこんな馬鹿なことに引っかかるのだろう」と思ってしましますが、実際にはかなり手が込んでいて、詐欺かどうか見極めるのはかなり困難なようです。
また「自分は騙されない」という人ほど騙されやすいとも言われます。『だましの手口(西田公昭著 PHP研究所)』という本に、「詐欺や悪徳商法にだまされないための心理テスト」というものが載っていました。各設問に対して「当てはまらない」と思ったら0点を、「多少、当てはまる」と思ったら1点を、「当てはまる」と思ったら2点を書き込んでください。

<詐欺や悪徳商法にだまされないための心理テスト>

第1問 私は詐欺に狙われるようなタイプではない。(  点)
第2問 運勢や性格の占いを信じるほうだ。(  点)
第3問 苦情を言われるとすぐにへこんでしまう。(  点)
第4問 肩書きのすごい人にはかなわないと思う。(  点)
第5問 どんなときにも、人に嫌われないように振舞う。(  点)
第6問 周囲の人や知人など、みんなの一致した意見にはいつも合わせる。(  点)
第7問 詐欺被害にあった人は、正直言うと、少し馬鹿なのかと思う。(  点)
第8問 意見が合わないときは、相手に譲ることが多い。(  点)
第9問 人の愚痴を長時間聞くのは耐えられない。(  点)
第10問 有名人やブランド物に弱い。(  点)
第11問 かなりのお人好しだと言われる。(  点)
第12問 大勢の中では、問い直したり意見を言ったりするのは苦手。(  点)
第13問 家族や仲の良い友人にも話せないことがいくつかある。(  点)
第14問 自分で見たり経験したりしたことこそが真実である。(  点)
第15問 甘い気分に浸ると、なしくずしになりやすい。(  点)
第16問 自信たっぷりに話されると影響される。(  点)
第17問 自分がどう思われているのか、いつも気になる。(  点)
第18問 何でも気軽に相談できる知人は少ない。(  点)
第19問 甘い話には気をつけてはいるが、一応話だけは聞いておく。(  点)
第20問 知らない人の前でも見栄をはってしまう。(  点)
第21問 宴会で一気飲みをコールされると断れないだろう。(  点)
第22問 店の人に褒められるとその気になって買ってしまうことが多い。
(  点)
第23問 待ち合わせの時間に遅れてくる人を待つのは苦手だ。(  点)
第24問 知人が「効いた」「良かった」ものは、すぐやってみようと思う。(  点)
第25問 詐欺に遭った人は、とても運が悪いと思う。(  点)

合計:   点



(つづく)

【参考】
『だましの手口』西田公昭著 PHP研究所
プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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連絡先:rsb39362(at)nifty.com
※ (at) は @ に置き換えて下さい
(お急ぎの場合は携帯電話までご連絡ください)

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