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Bullshit Jobs(社会的にどうでもいい仕事)①

■社会的に役に立たない仕事とは?

 

新型コロナウイルスに伴い多くの企業でテレワークが導入されています。感染が収束してももはや「感染拡大前と同じように仕事をしてください」とはならないでしょう。期せずして業務のあり方の見直しが進み、働き方改革が進むことになりました。

 

働き方改革、すなわち業務の効率化で最も効果が高いのは、「無駄なことをやめる」ことです。「無駄なこと」とは、「顧客にも社会にもまったく必要がないこと」でしょう。

 

社会人類学教授のデヴィッド・グレーバーは、5つの「Bullshit Jobs」を挙げています。日本語版「ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論」も出ており、ベストセラーとなっています。

 

ちなみにグレーバー教授は思想的にはアナキストで、2011年の「ウォール街を占拠せよ」運動の理論的支柱とも言われる人物ですから、かなり過激です。「Bullshit Jobs」を直訳するのがためらわれるので、ここでは「社会的にどうでもいい仕事」とします。

 

Flunkies(太鼓持ち)

受付係、指示を受けるだけの秘書、ドアマン、管理職を作るための補佐的ポジションなど別の人が自らの重要性を感じるためにある仕事。

 

Goons(用心棒)

インチキな説明をして顧客に売りつける広告やPR、営業、マーケティングなどの仕事。あるいはロビイスト、企業弁護士、広報など、雇い主のために相手を攻撃したり影響を与えようとしたりする仕事。

 

Duct Tapers(落穂拾い)

組織的な欠陥が理由で存在する仕事。無能な上司の間違いによるダメージを回避したり、機械化できるのに組織の都合で手作業でやっているような仕事など。そもそもあってはならない問題の手直しに従事している。

 

Box Tickers(社内官僚)

ただ業務のチェックだけを行なう管理者、提出することだけが目的で使われることがない報告書や社内広報誌の作成者やそのためのコンサルタント、意味がないのに惰性で行われている調査の回収係など。

 

Task Makers(仕事製造人)

訳もなく誰かに仕事を振るだけの人や、ほかの人にどうでもいい仕事を振る役割の人。部下に指示の必要がなく、仕事を割り振るだけの中間管理職など。無駄な業務を生み出す仕事。

 

そもそも「Bullshit Jobs」は、「テクノロジーの進化により1日の労働時間が半分になると言われていたのにそうはなっていないのはなぜか?」という疑問の中から発生したものです。その理由には、第1次産業や第2次産業の機械化により生産性が格段に上昇する中で、管理やマーケティングなどの非生産部門が拡大するとともに、情報化の進展により新たなサービス産業が勃興したことが考えられます。

 

また人には「働かなければ収入を得ることができない」という絶対的な倫理観があります。直接的な生産部門での雇用が減少する中で企業は(たとえ社会的には余計なものであっても)新たな仕事を生み出し、個人は収入を得るためにその仕事をし続けなければならないという面もあるでしょう。

OODAループ

OODAループとは?

 

OODAループとは、「観察(Observe)」「仮説構築(Orient)」「意思決定(Decide)」「実行(Act)」の4つからなる一連のサイクルです。

 

もともとアメリカ海兵隊のパイロットの意思決定モデルとして活用されていたものです。変化の激しい現在の経営環境では、これまでのPDCAサイクルのように、計画から始めることに意味がないがないのではという疑問から、注目されたという経緯があるようです。

 

現場のリーダーが、実際の環境に応じて、その場で戦略を策定・実現するという自律分散型の意思決定モデルとされます。

 

 

OODAループは知識創造にはつながらない?

 

しかしながら野中郁次郎・一橋大学名誉教授は、「OODAはあくまで個人の状況適応能力を開発するツールであって、経営の質を高める、ビジネスモデルを改革する、新規事業を開発する、イノベーションを生み出すなど、組織の知識創造を導き出すものではない」といいます。

 

継続的にイノベーションを行う、改善活動を行うためには、個人の知をいかに他の個人の知と結びつけて組織の知に昇華させ、さらに組織の知を個人に反映させることが大事です。

 

その点において、OODAループは、顧客現場と事業現場の間を瞬時に結びつけるものではあるものの、個人の知識の組織での共有の観点はなく、組織全体での知識創造のためのものではないといえそうです。

 

一橋大学の名和高司客員教授は、OODAループは、「感知」「判断」「動作」という情報処理プロセスのスピードを極限にまで高めようとする営みであり、反射能力は速くなるが、垂直思考や水平思考が高まるわけではないといいます。

 

 

【参考・引用】

『経営改革大全』名和高司著 日本経済新聞出版

 

OKR②

従来、従業員の目標管理ツールとしては、MBOManagement By Objective:目標管理制度)がありました。OKRMBOの違いは次の3点だといいます。

 

「経営目標から現場の結果指標まで、連綿と、かつ無駄なく、紐付けられていること」

従来のMBOでも企業目標と個人が設定する目標は紐付けられていることが求められていましたが、それが徹底されたということでしょう。

 

Key Resultsの達成度は100%ではなく、6070%程度が望ましいこと」

達成可能な目標ではなく、ストレッチ(背伸び)した目標を掲げることです。100%達成できたということは、そもそもの目標設定が低すぎたということを意味するからです。

 

「あくまで目標設定のツールであり、業績評価のツールではないこと」

目標達成率と業績評価を切り分けます。OKRで成果を上げている企業は、OKRとは別に、各人に期待される役割によって、総合的に評価する手法を取っています。たとえば、グーグルでは、マネージャーは、コーチとしての組織的リーダーシップを多面的に評価しています。

 

 

【参考・引用】

『経営改革大全』名和高司著 日本経済新聞出版

 

OKR①

組織・個人の方向性とタスクを明確にする目標管理方法として、OKRが注目されています。OKRObjectives and Key Results)は、組織が掲げる達成目標(Objectives)と主要な成果(Key Results)をリンクさせます。

 

まず企業の目標から出発して、事業部の目標、そしてチームの目標へと紐付けた上で、各個人の目標にまで落とし込みます。目標と成果はしっかり共有されるものの、それに向けて何をどうするかは、各現場の創意工夫に委ねられますKPIKey Performance Indicators「重要業績評価指標」:売上など組織の達成目標に対して、目標達成度合いを評価する評価指標)などの細かい行動目標や中間指標での管理から解放され、自律性が尊重される仕組みです。

 

インテルのアンディ・グローブ氏が考案したちされ、その後、グーグルやフェイスブックなどのシリコンバレー企業に間で広がり、多くのグローバル企業も導入し始めています。

 

非連続な変化が常態化し、価値観が多様化する中で、目標達成に向けて、各現場が主体的に行動しなければなりません。企業と従業員の間で方向性を合わせ、取り組むべき事項を具体的に落とし込むOKRは、両者の間の信頼関係を構築するツールでもあります。

 

【参考・引用】

『経営改革大全』名和高司著 日本経済新聞出版

起業家の条件⑦

前回に続いて創業前にしておくことについて考えてみたいと思います。

 

■買ってくれる顧客を5人挙げられるか?

 

起業が失敗する理由は様々ですが、もっともありがちなのは「これならある程度売れるだろう」と自分たち本位で考えてしまうことです。そして大抵は結局ほとんど誰も買わなかったというオチになります。

 

新規事業は企画段階で顧客への提供価値や顧客を具体的にイメージできなければ必ず失敗します。購入してくれる顧客を最低でも5人想定できなければ、新規事業はまず失敗するともいわれています。

 

 

■顧客の悩み解決を具体化する

 

ビジネスの社会的な存在理由は、ただ1つ「顧客の悩みを解決すること」です。よって、これから始めるビジネスが提供する顧客価値を具体的に示す必要があります。

 

<畳屋の例>

×:畳の張り替え一筋50年。お客様の様々な悩みに誠心誠意に寄り添います。

〇:畳の部屋が欲しいがインテリアにお困りの方へ

 

 

■他社の観察

 

自分のビジネスの顧客は少なくとも現時点では他社で消費活動を行っています。よって、その他社を観察して取り入れることは有効です。たとえば顧客はどのような悩みを持っているのか、その他社にどのような不満があるのか、その他社のどこが気に入っているのか、その他社はどのようにして課金しているのかといったことです。

 

他社の観察に当たり重要なのは、どのような商品やサービスを展開しているのかといった表面的なことではなく、顧客の事情や、ビジネスの仕組みです。結局は、提供する顧客価値と、それを適切にマネタイズして利益を稼ぐ仕組みがビジネスの命脈だからです。

 

プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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(お急ぎの場合は携帯電話までご連絡ください)

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