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誤った二分法

二分法とは、「YESかNOか」「AかBか」といったように、「きっちり白黒をつける(白黒思考)」ことを言います。 「客観的な事実として正しいかどうか」判断したり批評したりする場合、二分法を用いることになります。

例:2014年度の実質GDPは上がったのか下がったのか。
  ⇒下がった(マイナス0.9%)。


二分法はわかりやすいですが、それ故に単純すぎるということで、判断にあたり最も避けなくてはいけない姿勢とされています。
なにせ2つしか選択肢がないわけですからね。

ただし上記のように調べれば明らかなものはビジネスの意思決定の現場ではほとんどないでしょう。
いろいろ派生形があり、次のようなものも二分法の例です。

 「郵政民営化に賛成なのか、反対なのか」

 「私と仕事とどっちが大切なの!」

 「昨年末の総選挙で自民党は大勝したのだから、
  国民は自民党の安保法案に賛成したとみなされるべきだ(※)」

 「君は整理整頓ができないから、ビジネスマンとして失格だ!」

「他の選択肢がないか」、あるいは、たとえば「方向性としてA案は正しいが、ここの部分は修正する必要がある(修正すればもっとよくなる)」といったことは当然に考慮すべきでしょう。

4つ目は、いわゆるハロー効果の典型例です。ハロー効果とは、「一部を見て全体を評価してしまう」という人間の心理的誤謬です。「木を見て森を見ず」とも言えますね。
よく考えると、4つすべて、根っこは「AかBかのどちらかしかない」という文脈なのです。

誤った二分法は、相手をやり込める際に多用されるものです。みなさんにもご経験があるでしょう。

相手の勢いに飲まれないためにも、あるいは自らの意思決定の質を上げるためにも、「二分法になっていないか?」考えてみる必要がありますね。

次回以降、この二分法についての軽い演習を取り上げたいと思います。


※これはメディアなどでたまに見かける保守派有識者のコメントです。確かに自民党のマニフェストには「安保法制の整備」が謳われています。
しかし、多くの有権者にとって2014年12月の総選挙の争点は、「アベノミクス継続か否か」か「消費税引き上げ延期か否か」でしょう。
最近の世論調査を見ても、「アベノミクスには賛成だが安保法制には反対」という立場の方が多いというのが妥当な印象ではないでしょうか。
個人的には、アベノミクスも安保法制も賛成の立場なのですが、このコメントは頂けないかな。

※このように「Aには賛成だが、Bには反対」が多くても、投票行動の結果、(多数が反対の)Bが採用されてしまうというパラドックスが生じます。
民主的な投票行動が必ずしも合理的な結果を招かないことを扱ったものとして、コンドルセのパラドックス(投票のパラドックス)、アローの不可能性定理、アビリーンのパラドックスといったものがあります。
興味深いテーマなので、後日、取り上げたいと思います。

※安保法制を巡る論戦を見ると、「集団的自衛権=戦争への道」「徴兵制につながる」 など、誤った二分法の典型例に思えるのですが…。

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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(お急ぎの場合は携帯電話までご連絡ください)

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