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戦略、戦略と言うけれど…③

前回(戦略、戦略と言うけれど…②)で、グラフィックアート会社を経営するローガンとルメルトの会話を取り上げました。曖昧模糊とした定義を考えるより、経営戦略ではないものを逆説的に考えたほうが早いかもしれません。みなさんは戦略について、どのような感想を持ったでしょうか。
以下、続きを抜粋してみます。

私が知りたかったのは、何か飛躍のきっかけになるようなもの、テコの支点となるようなものがあるのか、言い換えれば、この安定した小さな会社が急激に売上を伸ばせると考える理由が何かあるのか、ということだった。

戦略とは、力を何倍にもするテコのようなものである。もちろん、筋肉と意欲と綱があれば、大きな岩を運ぶことができるだろう。だがテコとコロを使うほうがずっと賢い

私には20/20プランが功を奏するとは思えなかった。戦略目標は、もっと具体的であるべきだ。たとえば顧客への応答時間を半分に短縮するとか、フォーチュン500社から契約をとる、などである。


ルメルトは、悪い戦略の特徴として、次の4つを挙げています。


空疎である

ある大手リテール銀行が基本戦略として、「顧客中心の仲介サービスを提供すること」を掲げています。仲介サービスというのは、要は「お金を預かって貸し出す」ということで、銀行の本業に他なりません。またサービス業であるのだから、顧客中心主義は当然でしょう。トートロジー的ですね。他に専門用語や業界用語で煙を巻くようなものもこれに該当します。


重大な問題に取り組まない

戦略とは、本来、困難な課題を克服し、障害を乗り越えるためのものです。その課題に立ち向かわないのであれば、意味を成さないし、評価することもできないでしょう。


目標を戦略と取り違えている

グラフィックアート会社の20/20プランがこれに該当します。これは業績目標です。


間違った戦略目標を掲げる

たとえばビジョンや理念を目標とするケースです。「従業員の満足度を高める」「信頼を勝ち取る」などは具体的な実行策という経営戦略の目標としては言い難いです。その他、寄せ集めの目標や非現実的な目標などがこれに当ります。

(出典:「良い戦略、悪い戦略」リチャード・P・ルメルト著 日本経済新聞出版社)
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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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