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「三人寄れば文殊の知恵」か「船頭多くして船山登る」か②

さて前回、『「三人寄れば文殊の知恵」か「船頭多くして船山登る」か①』で、優秀な個人の意思決定と集団の意思決定のどちらが優れているかについて見ていきました。個人的な興味から、これまで何冊か書籍を読みましたが、実はあまりはっきりしません。

・求められる意思決定の内容によっては優秀な個人が勝る場合もあるし、集団が勝る場合もある。
・ただし集団が勝るためには、環境整備が条件となる。


ここからは現時点で私が理解していることとして、話を進めていきます。
まず「意思決定とは何か?」で触れたように、意思決定は大きく2つに分類できました。

プログラム化された意思決定
これまで何度も繰り返されていて内容が明確化されており、問題解決手順が既に存在するもの。


プログラム化されない意思決定
今まで経験したことがなく、内容が明確化されておらず、既存の問題解決手順がないもの。

今回は、意思決定を①問題解決型意思決定と②問題創造型意思決定に分けて考えてみます。


<問題解決型意思決定>

問題解決型意思決定とは、問題や課題がすでにはっきりしていて、必ずそれに対する最良の解決策が1つあるという場合です。

たとえば微分の問題を4人で相談して解答するというケースを考えてみましょう。この場合、仮に解答が割れたとしても、最も微分が得意な人の意見がおそらく正しいでしょう。この場合、そもそも4人で相談する必要はなく、最も得意な1人で解答すればよいわけです(もっともチェック役は必要ですが)。

先のプログラム化された意思決定の多くは、このパターンです。ビジネス環境においても、解がほとんど分かっている場合があります。

たとえば店舗での陳列法は、これまでの長年の研究から、だいたい方法論が決まっています。工場の作業員の動作の改善手順についても、IE(経営工学)の動作研究や作業測定の手法で行われるのが通常です。このように必ず最良の解決策が存在する場合には、その解決策を熟知している専門家が中心となって(場合によっては1人で)決めるほうが合理的でしょう。


<問題創造型意思決定>

問題創造型意思決定とは、そもそも問題や課題がよく分からず、それに対する解決策もよく分からないという場合です。未経験(不透明・不確実)な問題がこれに該当し、プログラム化されない意思決定とも言えます。

たとえば「これまでにないような新製品を開発する」「組織をよりよくする」「新たな経営方針を考える」といったようなものです。このような場合でも抽象的な問題意識はあるのですが(「今の製品はぱっとしない」「現在、組織が沈滞ムードである」「業績が冴えない」)、具体的な問題や課題レベルに落とし込まれていません。抽象的で未経験ですから、それぞれの問題に対するイメージや認識もまちまちで、何がベストな解決策であるのか誰も確信が持てません(そもそも事前に効果が分かりません)。

そうなると、意思決定を1人に委ねることは間違えるリスクが高くなり、グループでの意思決定(アイデアを出し合う)が有効になるのです。ただしこの場合でも、みんなの意見が必ず個人の意見よりもよくなるわけではありません。グループでの意思決定(アイデア)がよりよいものとなるには、条件を満たさなくてはならないのです。

次回以降、グループでの討議で用いられるブレイン・ストーミングを題材に、よいグループでの意思決定と悪いグループでの意思決定について考えていきます。
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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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(お急ぎの場合は携帯電話までご連絡ください)

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