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集団の智恵を引き出すための前提条件

「不完全であっても1人1人のひらめきを誘発させ、それが正しい方向に積み重ねられるような環境を整備すれば、グループでの意思決定は個人の意思決定に勝ります。集団の智恵をグループ・ジーニアスあるいは集合知と言います。ここではグループ・ジーニアスの例を3つほどご紹介します。


<雄牛の重量当てコンテスト>

1906年、ある見本市で雄牛の重量当てコンテストが行われた。実際の重量に一番近い予測をした人が商品をもらえ、800人ほどが参加した。予測の平均値は1197ポンドで実際の重量(1198ポンド)とほとんど変わらなかった。


<クイズ「百万長者になりたい人は?」>

クイズ「百万長者になりたい人は?」では、解答者は4択問題に15問連続で正解したら賞金100万ドルがもらえる。番組の売りは、解答者が答えにつまったら、①選択肢を2つに狭めてもらう、②あらかじめ指定しておいた頭のよさそうな知人に電話をかけて答えを訊く、③コンピュータ投票システムを使いスタジオ内の聴衆(もちろん素人)にアンケートを取る、の3つの方法で助けを求めることができる。①は確率的に正答率は50%である。そして②(正答率約65%)よりも③(正答率約91%)のほうが正答率が高かった。


<ビンの中のジェリービーンズ>

ジャック・トレイナー教授は、クラスの学生56人に、ビンの中にジェリービーンズが何個入っているか当ててもらった。クラスの解答の平均値は871粒で、それより正解(850粒)に近かったのは、わずか1人だった。


さて、グループ・ジーニアスを引き出すためには、集団が次の条件を満たす必要があると言われます。

意見の多様性
 それが既知の事実のかなり突拍子もない解釈だとしても、集団のメンバーが独自の私的情報を多少なりとも持っている。

独立性
 集団のメンバーは他者の考えに左右されない。

分散性
 集団のメンバーは身近な情報に特化し、それを利用できる。

集約性
 個々人の判断を集計して集団として1つの判断に集約するメカニズムが存在する。


企業という場面で考えると、「熱意があり、それぞれ異なる専門性や視野を持ったメンバーが自律的に判断し、かつ結論を導く何らかの仕組みが整備されている集団がグループ・ジーニアスを生む」と言うことができます。冒頭に挙げた3つの例は、必ずしも4つの条件をすべて満たすものではありませんが、ビジネス環境においては十分に意識したい点です。この条件を考慮して有効なブレイン・ストーミングについて回を改めて考えていきましょう。

【参考】
「『みんなの意見』は案外正しい」ジェームズ・スロウィッキー著 角川書店
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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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(お急ぎの場合は携帯電話までご連絡ください)

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