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集団の智恵を引き出すための前提条件②

「集団の智恵を引き出すための前提条件」で、意見の多様性、独立性、分散性、集約性の4つを挙げました。このうち特に重要なのは意見の多様性です。知見の多様性と言ってもよいでしょう。

これについては、敢えて説明する必要はないかもしれません。もともと集団の意思決定が個人のそれよりも勝る可能性があるのは、問題創造型意思決定(そもそも問題や課題がよく分からず、それに対する解決策もよく分からない)の場合なわけですから、集団内の意見が同質的であれば、創造性に限界があり、失敗するリスクは高くなります。

集団を構成する個人の意見には正しい部分と誤っている部分があります。個々人の異なる見解に基づく意見をまとめてならすと、1人1人の個人が回答を出す過程で犯した間違いが相殺されるようになります。

また創造的な意見は個々の意見を融合させ進化させていくことで生まれるわけですから、当然、意見の多様性が求められるわけです。「ブレイン・ストーミングでよいアイデアは生まれるのか?②」で触れた話題の固定化も防げるかもしれません。また知見が多様であることで、いくつかの意見の中から正しいものを選択するプロセスも洗練されるようになるでしょう。

確かに意見が同質的なメンバーからなる集団のほうがまとまりがよく、意見集約はしやすいでしょう。しかしながらまとまりのよい集団ほど、外部からの情報や意見を拒絶する傾向があります。優れた意見(斬新なアイデア、イノベーション)とは、合意や妥協から生まれるのではなく、多様な意見の摩擦から生まれます。その点では極めて非効率な作業です

そう考えると職場でのミーティングでたいしたアイデアが生まれないのも納得できます。早く結論を出したい(効率性)というモーメンタム、メンバーの同質性という条件を満たしてしまうからです。

さて意見の多様性が重要である点は理解できると思いますが、1つ注意しておきたいのは、単にバラバラな知見を持ち寄ってもダメだということです。

課題や目標などの共通理解、基盤となる知識の共有、他の意見への深い傾聴が不可欠となります。見ているものが違うとまとめようがありませんからね。ありがちな異業種懇談会が上手く機能しないのもこの辺りにも原因があるのかもしれません。


【参考】
「『みんなの意見』は案外正しい」ジェームズ・スロウィッキー著 角川書店



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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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