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赤信号、みんなで渡れば怖くない!?②

「赤信号、みんなで渡れば怖くない!?①」で、集団での意思決定の結論は、個人の意思決定のそれよりも、ハイリスクになるか(リスキーシフト)ローリスクになる(コーシャスシフト)傾向があることを指摘しました。

どのような場合にはリスキーシフトになり、どのような場合にはコーシャスシフトになるのでしょうか。一般にリスク志向が高い人が集まるとリスキーシフトに、安全志向(悲観志向)の人が集まるとコーシャスシフトになると言われています。

では、なぜ極端になるのでしょうか?問題として深刻なのは、リスキーシフトのほうですので、その原因を考えてみましょう。

まず、議論の過程において、どんどんハイリスクになるというものです。ハイリスクは、一般的に「極端な楽観主義」と言えるでしょう。

最も楽観的な立場(例:粉飾会計を行っても絶対バレない)を仮に楽観度10、最も悲観的な立場(例:粉飾決算はすぐにバレて、その結果、訴訟を起こされ、会社は倒産する)を楽観度0とします。また個人は周囲から見た自分のポジションを維持しようとします。

ここで集団(例:取締役会)の議論がそこそこ楽観的(楽観度7)になると、もともと中立的な人(楽観度5)の人は、今度は楽観度7を中心にして自分の中立度を保とうとしますから、楽観度6あたりに移動することになります。そうなると他の人は、もともと中立的な人よりも楽観的である立場を維持しようとするので、さらに楽観度が上がることになります(その結果、もともと中立的な人の楽観度も上がることになります)。

つまり一度、楽観的に偏ると、どんどん楽観的に偏っていくということです(コーシャスシフトも同じ理屈)。

また、人間は自信が持てないときは、他人の意見に従いがちです。集団内の多数がリスキーな主張であるならば、自分の意見に自信が持てないほど、そちらになびくでしょう。(コーシャスシフトも同じ理屈)。

さらに、ハイリスクな主張は、通常は過激なものですが、過激派は穏健派よりも自分の正しさを確信しがちです。つまり頑固な分だけ、議論をそちらに引っ張りがちになるというわけです。

一般的に経営メンバーは自信家で冒険志向が高い(楽観的)からこそ、社内で高い地位にまで登ったと考えられます。そうした志向を持った人から成る取締役会が、よりリスキーな意思決定をしてしまうことは、ある意味、自然かもしれません。

【参考】
「『みんなの意見』は案外正しい」ジェームズ・スロウィッキー著 角川書店
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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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