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集団浅慮を回避するためには②

前回「集団浅慮を回避するためには①」で、集団浅慮の回避策の1つとして、「悪魔の代弁者(意識的に反対意見を言う役目)を設ける」を挙げました。

悪魔の代弁者とは、もともとカトリック教会で聖人を選ぶ際に、その人物の欠点や問題点を指摘するために任命された神父というのが語源です。悪魔の代理人は、原則として聖人となる候補者が、いかに不適切かを立証する立場です。これに対して、聖人に相応しいという立場から反論がなされ、この議論を聞いた上で、列聖すべきかが決定されます。

反対意見を言いにくいのは、往々にしてそれが個人に対する攻撃と捉われかねないからです。そうであるならば、最初から「反対意見をいう役割」を明確にしておけば、言い易いだろうというわけです。もちろん悪魔の代理人にあたる人物が半ば強制的に批判的な検証を加えることで、これまで意識していなかった点に気が付く可能性もあります。これはこれで1つの解決策だと思います。

ソニーの出井伸之氏(元CEO)は、取締役に就任した際には「異論役」で、たまに他の人と同意見を言うと、当時の大賀典雄社長から、「何のために君を呼んだんだと思っているのかね。われわれの考え方を否定してもらうためじゃないか。」と叱責されたと言われています。

そう考えると、「名経営者に片腕有り」は、あながち偶然ではないのでしょう。たとえば、ホンダにおける本田宗一郎と藤沢武夫、ソニーにおける井深大と盛田昭夫、アップルのスティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックなどが典型ですが、彼らは性格や適性などの違いから自然と何らかの役割分担を行っていたと考えられます。これは、互いに悪魔の代弁者役を演じていたとも捉えることができるかもしれません。(つづく)

【参考】
「経営意思決定の原点」清水勝彦著 日経BP社
「戦略的交渉入門」田村次朗、隅田浩司著 日本経済新聞社


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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
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