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思ったよりモノが売れるとGDPはマイナスになる?(GDP)

甘利経財相は12月6日のテレビ番組で、8日に発表される7─9月期の実質GDP(実質国内総生産)の改定値が「ゼロになると思う」と述べたことが話題になっています。発表前から知りうる立場であることは想像できますが、事前に言ってしまうのはどうかとの批判が上がっています。

ちなみにGDPの発表には、1次速報値と2次確報値があります。7-9月期の実質GDPの1次速報値は11月16日に発表されており、前期比(4-6月)マイナス0.2%でした。

今回は、GDPについて確認しておきましょう。まずGDPとは、ある国において一定期間に新たに生み出された財・サービスの付加価値の総額です(生産面から見たGDP)。

付加価値とは、単純に言えば、「生産額-中間投入額(生産のための仕入れコスト)」と考えておけばよいでしょう。

生産された付加価値は、各経済主体(家計・企業・政府)に分配されます(分配面から見たGDP)。また付加価値は各経済主体の需要の対象にもなります(支出面から見たGDP)。

つまり生産面から見たGDP・分配面から見たGDP・支出面から見たGDPは一致することになります(三面等価の原則)。

今回は支出面から見たGDPについて考えてみましょう。支出面から見たGDPは、需要面から見たGDPとも言われ、次の項目から成り立ちます。

<支出面から見たGDP>
GDP=民間・政府最終消費支出+国内総固定資本形成+在庫品増加+輸出
   -輸入


国内総資本形成とは、住宅投資、設備投資、公共投資などの固定資本の追加分のことです。今回は、設備投資のマイナス1.3%と在庫品増加のマイナス0.5%が響きました。

ここで注意すべきは、在庫品(言い換えれば売れ残り)が減る、言い換えれば思ったより売れるとGDPにはマイナスになる、逆に売れ残りが増えるとGDPにはプラスに作用するということです。

本来、総供給(総生産)と総需要は一致するわけではないのですが、三面等価の原則では、支出面(需要面)から見たGDPのうち、在庫品増加という形で売れ残りの増加分も含んでしまうことで(注)、総供給と総需要を一致させているのです。

今回の1次速報でも、在庫品増加のマイナスがなければプラスの0.3%だったということで、景気は印象よりも悪くはない(ただし決して良くはない)状態なのかもしれません。

1次速報値と2次速報値はかなり食い違いがあり、1次速報値はあまり当てにならないという声もあります。7日に甘利大臣は「確報値については知っていない。民間予想に基づいて発言しただけだ」と釈明しました。さて、もうすぐ発表される確報値は甘利大臣の言うとおりなのでしょうか。

注:
正しくは仕掛品や半製品、原材料の増加も含む。

追加:
2次速報値は前期比0・3%増で大幅な上方修正でした。こんなに変わると速報値の意味が分からないですね。甘利大臣が番組出演時に2次速報値を知っていたかどうかは微妙な感じでしょうか。

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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(お急ぎの場合は携帯電話までご連絡ください)

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