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寡占市場における競争①

■携帯電話市場を考える

昨年の秋頃から政府・与党内から携帯電話・スマホの料金引き下げの圧力があり、通信各社とも今後、格安プランを導入していくことになりそうです。日本の通話料金は国際的に見て必ずしも高いわけではないようですが、ここでは仮に割高だとして、なぜそうなるのかについて考えてみたいと思います。


■企業間競争における囚人のジレンマ

「共有地の悲劇と囚人のジレンマ」http://bgeducation.blog.fc2.com/blog-entry-105.htmlで、囚人のジレンマ(協力し合う方がお互いに得をするにもかかわらず、協力し合わないことで、結果的にそれぞれ低い利得しか得られない現象)について取り上げました。

これを企業間の競争に当てはめてみます。たとえば値下げをしたほうが市場シェアを高めることができ高い利益を得られることは多いでしょう。業界他社も同じことを考えるとすると、業界全体が価格競争になることは必至です。よってどこの企業も結果的には低い利益に甘んじることになります。

お互い価格を高めに維持すれば高い利益を得られるのに、各社が自らの目先の利益を考えて値下げをしてしまうと結局は利益が低下してしまうということで、これは囚人のジレンマそのものです。


■寡占市場とは

寡占市場とは、少数の企業が市場シェアの大半を握っている市場のことです。
国内の完成品市場の多くは実は寡占市場です。たとえば国内のコピー機の市場を見ると、リコー、富士ゼロックス、キヤノンの上位3社で80%弱、上位5社では98%弱(2011年度)となっています。自動車のシェアを見ると、トヨタ46.6%、ホンダ、日産自動車がともに12.2%、マツダ6.6%となっており、上位4社で約77%を占めています(2015年度)。もちろん国内の携帯電話市場は、NTTドコモ、ソフトバンク、auの3強体制ですから寡占市場です。


■寡占市場の企業行動

寡占市場では、ライバル企業が少数で互いに観察することができます。よってライバルの動向を観察したり予測したりしながら自社の戦略を決めることになります。ある程度の期間、少数の同じメンバーで競争していると、互いに手の内が分かることになります。

当然、値下げ競争をすると互い消耗するだけということは分かっていることになり、価格競争を絶対に回避することが業界の課題になります。
(つづく)
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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
※ (at) は @ に置き換えて下さい
(お急ぎの場合は携帯電話までご連絡ください)

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