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日銀の量的・質的金融緩和政策①(なぜ日本は出遅れたのか)

先月29日の金融政策決定会合で日本銀行が日銀当座預金の一部にマイナス金利を導入すると発表しました。
金融政策は、財政政策(公共投資・増減税・給付金など)と比べて、多少の知識がないと理解しにくいところです。今回は、日銀の金融緩和政策について、基本的なことから振り返ってみたいと思います。


なぜリーマンショック後に日本は取り残されたのか?

2008年のリーマンショック後のG7(フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダ)の名目GDPの推移を見ると、日本が最も打撃を受け、かつ回復も遅い(日本だけがリーマンショック前の水準に回復していない)ことが分かります。

さらに日本だけがデフレとなり、さらに2012年度まで超円高基調になるという事態に晒されました。

なぜリーマンショック後に、本来無関係であるはずの日本だけが取り残されたのかについては、他国が行って日本が行わなかったことに着目すればよいでしょう。それは中央銀行の金融緩和政策です。

2008年8月時点の各国のマネタリーベース(マネタリーベース、中央銀行が提供するお金の量)を1とし、2012年度10月時点を確認してみると、アメリカは3.1倍、イギリスは4.1倍、ユーロ圏は1.9倍に対し、日本は1.5倍に留まります。特に最初の2年間ではほとんど増やしていません(1.1倍程度)。


消極的な金融政策が諸悪の根源!?

実は円高、デフレの原因は同じです。そしてこの2つは名目GDPを押し下げる作用があります。為替や物価を考える際には、相対量で考えるのが便利です。

たとえば当初、円とドルの量が1対1だとし、そこでアメリカがマネタリーベースを増やし、1対2になったとします。「相対的に量が少ないものは価格が上がり、多いものは価格が下がる」という原則から、円高ドル安になります。

一方、1国全体でのモノの量と貨幣の量を考えてみます。モノの増加に対し貨幣量の増加が見合わなければ、相対的に多いモノの価格は下がります。つまりデフレになるということです。

こうしてみるとあまりに消極的な日銀の金融緩和が円高(輸出不振)とデフレを招き、その結果、名目GDPの停滞を招いたことがわかります。


【参考】
『リフレは正しい』岩田規久男著 PHP研究所
『日本を救ったリフレ派経済学』原田泰著  日本経済新聞出版社
日本銀行 マネタリーベース時系列データ
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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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