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交渉のための準備③(目標を設定する)

目標の設定とは、自らのミッションを具体的な数字や条件に置き換えることです。

価格交渉の場合、売り手(いかに高く売るか)と買い手(いかに安く買えるか)とでは希望金額が異なりますから、すぐに妥結することはまずありません。

よって、最高目標と最低目標を設定しておく必要があります。この交渉可能価格帯のことを、ZOPA(Zone Of Possible Agreement)といいます。

たとえば、あなたが友人から中古車を買おうとしているとします。買い手であるあなたは可能なら135万円で手に入れたいが150万円より上の金額は払えないとします。一方、売り手である友人は最低でも130万円、できれば140万円支払ってもらいたいと考えているとします。

この場合、買い手のZOPAは「150万円(最低目標)から135万円(最高目標)」、売り手のZOPAは「130万円(最低目標)から140万円(最高目標)」です。当然のことながら、両者のZOPAの重なるいずれかで交渉は妥結します。両者のZOPAが重ならなければ合意には至りません。

また通常は相手のZOPAは事前に分かりませんから、交渉の過程ではまず聞き役に徹し、相手のZOPAを探ることから始めることになります。逆に自らのZOPAは知られない方がよく、特に最低目標(抵抗点ともいいます)は、相手に絶対に知られてはなりません。相手に見透かされてしまうと、不利な条件での妥結になりかねないからです。

一般的には相手のZOPAは狭いよりは広いほどよく、自分が買い手なら売り手の最低目標(抵抗点)は低いほど望ましいです(逆に自分が売り手なら買い手の抵抗点は高いほうが望ましい)。

先の中古車の売買においては、あなたが買い手なら売り手の抵抗点が130万円より100万円のほうが都合が良いでしょうし、逆にあなたが売り手なら買い手の抵抗点が150万円より200万円のほうが都合がよいはずです。

実際の交渉では、自らのZOPAの範囲内で譲歩をすることで、相手の譲歩を引き出すことになります。ZOPAを設けることで、柔軟な交渉が可能になります。ただし、その際に変に落としどころを意識すると、自分では上手く立ち回ったとしても結果的には不利な条件で妥結することになりかねませんから要注意です。


【参考】
『ハーバード×慶應流 交渉学入門』田村次朗著 中央公論社
『交渉力―最強のバイブル』ロイ・J・レビスキー、ブルース・バリー、デイビッド・M・サンダース著 日本経済新聞社

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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