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戦略を立てるための手順(3C分析・CFT分析)

「SWOT分析は役に立つか?②」では、SWOT分析の問題点について触れましたが、今回はその続きと、SWOT分析の正しい使い方について見ていきましょう。


■SWOT分析では利益の獲得方法がわからない

経営戦略には、事業システム(誰にどのような価値を届け、どのようにして利益を獲得するかの仕組み)の構築も大きなテーマになります。しかしながらSWOT分析で、ただ単に「機会に強みをぶつける」という方向性を見出したとしても、事業システムについては何も検討しません。

また前回触れたように、「強み」について相対的な観点がないということも致命的だと思います。

以上より、私は環境分析し戦略を検討するためには3C分析やCFT分析のほうが有効ではないかと思います。


■3C分析とは

3C分析とは、「市場(customer)」「競合(competitor)」「自社(company)」の3つの観点から市場環境を分析するものです。「戦略の三角形」とも呼ばれ、1980年代にマッキンゼー時代の大前研一氏によって提唱されたものです。

顧客:「顧客は誰か」「何を持って顧客を説得するか」
競争業者:「競争相手は誰か」「その競争相手とどのように違うのか」
自社:「自社の強みは何か」「競争優位の源泉となる中核的な技術・能力は何か」

以上の3つの観点から、市場におけるKFS(Key Factor for Success:重要な成功要因)を探るのです。

3C.png
より具体的に対顧客、対競合という観点が含まれている点で優れたツールと言えます。その一方で、政治や技術などのマクロ環境(一般環境)の分析の観点は弱くなりますので、それについては別個に分析することになります。

なお上記3Cに加え、流通チャネル(Channel)あるいは提携パートナー(Co-operator)を加えて4Cとする場合もあります。


■CFT分析とは

CFT分析とは、「顧客( Customer )」「機能( Function )」「技術( Technology )」の 3 つの軸を使って事業領域(事業ドメイン)を設定するものです。言うなれば「誰に」「何を」「どのように」提供するのかを定義するためのものです。マーケティング学者のデレク・エイベルによって提唱されました。
CFT.png
たとえば再春館製薬所のドモホルンリンクルであれば、「中高年のお肌が気になる女性に天然素材の基礎化粧品を通信販売で提供する」といった具合です。

一般的にCFT分析は事業領域の定義のためのものですが、「誰に」「何を」「どのように」を定義することは戦略の基本であり、戦略策定の際に大いに役立つはずです。


■有効な戦略策定の手順

SWOT分析、3C分析、CFT分析の3つについて見てきましたが、戦略策定という観点から3者の関係を整理してみます。

まず経営戦略の策定で必ず定義しておかなければならないのは、「長期目標」「事業範囲」「競争優位性」「事業ロジック」です。この4つの観点から基本戦略を定め、評価し、代替案(戦略オプション)を考えるという手順になります。

これを踏まえると、3C分析で市場におけるKFSを抽出し、CFT分析で基本戦略を検討したあとで、SWOT分析で基本戦略の検証およびそれまで見逃していた戦略オプションを考えるという手順が妥当と考えられます。

SWOT分析はあくまで基本戦略策定後の検証のためのツールという位置づけになります。

【参考】
『事業システム戦略』加護野忠男・井上達彦著 有斐閣 
『戦略経営論』ガース サローナー、ジョエル ポドルニー、アンドレア シェパード著 東洋経済新報社
『この1冊ですべてわかる 経営戦略の基本』(株)日本総合研究所 経営戦略研究会 著 日本実業出版社



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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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