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ダイバーシティーを確保するには?

前回に続き、ダイバーシティーについて考えたいと思います。


■新たな視点を確保するためには

前回、10人全員男性の職場に新たに女性を2人入れたとしても、女性陣は孤立してしまい、視点の多様性は確保されないと指摘しました。

この職場に本当に新しい視点を取り入れたいのなら、女性を入れるよりも、男性だけど今のメンバーとは異なる能力や経験を持った人材を入れたほうがよいことになります。

あるいは女性が少数派として孤立しないように、思い切ってある程度の人数(3~5人)を入れるということもあるかもしれません。この場合、男性グループと対立する可能性はありますが、新たな視点は確保されます。

いずれにせよ中途半端に多様性を確保しようと思っても、上手くいかないということです。


■フォルトライン理論

ダイバーシティーを扱ったものに、フォルトライン(組織の断層)理論というものがあります。

例えば、6人のメンバーからなる組織があったとして、そのうちの3人が「男性/白人/50代」で、残り3人が「女性/アジア系/30代」だったとします。この場合、デモグラフィーがすべて共通する2つのグループに分裂します。

これがもし3人の男性の人種も年齢もバラバラで、3人の女性の人種も年齢もバラバラだったとしたらどうなるでしょうか。先の例では1つの明確な境界線があったのが、性別、年齢(例:30代・40代・50代)、人種(例:白人、アジア系、アフリカ系)と次元が複数になり、境界が曖昧化します。その結果、グループの固定化は避けられることになり、コミュニケーションが円滑化します。

たとえば日本企業の職場で「男性/日本人」中心でたったなら、「女性/20代/日本人」を入れても両者の境界線がはっきりするだけで、あまり効果はありません。しかし「女性/30代/日本人」「男性/アジア人」「女性/40代/欧米人」などを加えれば、境界線がなくなっていきます。

もちろん男性が多数派の職場であっても上手く機能する場合がありますが、これは性別以外に考え方や価値観という次元があるからでしょう。当然、合わない同性、合う異性はいるわけで、性別で分けること自体が意味がないかもしれません。

いずれにせよダイバーシティーを進めるのなら、明確な1つの対立軸を作らず、徹底的に多様性を追求するということです。


■組織の創造性を求めるのなら対立は不可避?

さて2回に渡り人材の多様性について考えてきました。新たなアイデアを生むためには価値観の多様性が必要ですが、その結果、組織内の摩擦を高めるということでした。

しかしながら、もともと新たなアイデアは何らかの見解の違い(対立)によって生まれるものです。安易にコミュニケーションの円滑化(組織の和)を重視すると、創造性は犠牲になります。組織目標の達成という前提は共有しつつ、その範囲で見解の違いをぶつけ合うのであれば問題はないと割り切るべきでしょう。


【参考】
『使える経営学』杉野幹人著 東洋経済新報社
『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』入山章栄著 日経BP社



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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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