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どのように自社商品を位置づけるか(市場ポジショニング)⑧

リポジショニングについて問題を考えてみましょう。

あなたはメーカーX社のマーケターです。X社の製品は環境性には十分な配慮をしており、それが売りなのですが、あまり販売が伸びていません。
A軸に業界で最も重視されている「リーズナブルさ」を、B軸にその次に重視されている「信頼性」を設定した知覚マップを作成したところ、次のようなものになりました。
さて今後の自社ブランドのポジショニングの方向性としてはどのようなものが考えられますか?
りポジション1


競合の少なさという点では、左上あるいは右下の象限へのシフトが考えられます。しかしながら既に他のブランドが存在しており、そこから売上を奪うことは困難でしょう。さらにもともと需要が少ないので1つしかブランドがないのかもしれません。

そこで考えられるのが、自社が得意な軸に変えることでもっと有利なポジションを占めるということです。

X社の製品は環境性に優れているのですから、それを軸に知覚マップを描き直したら次のようになったとします。
リポジション2
X社としては環境性という新たな基準を消費者にアピールすることで有利なポジション取りが可能になります。現在のポジションにとどまるか、あるいは右上の象限へのシフトが考えられます。

もっとも自社が有利な軸(基準)であればよいわけではなく、その軸が本当に消費者の価値観にあったものなのか、十分に訴求できるものなのかはマーケティング・リサーチなどで確認する必要があります。

たとえば、それまで晴れのシーン(非日常)での使われ方が多く、高価であった花束を、キッチンやダイニングなどで日常的に気軽に飾るというという価値観(軸)を持ち込むことで成功した青山フラワーマーケットのポジション取りも似たようなケースと言えます。

また、ユニークなポジショニングを行うためには、軸に経済的な価値(高価格・低価格)や実用的な価値(機能・品質)だけではなく感情的な価値(情緒的な感覚や気分)を選ぶことが有効です。

高価格・高機能(本格派)で勝負する海外のスポーツカーに対し、低価格で気軽なスポーツ感覚の楽しさを訴求するマツダ・ロードスターのポジショニングが典型例です。

【参考】
『ブランディング 7つの原則』岩下充志編著 日本経済新聞社
『戦略パワー・プロフェッショナル』齋藤嘉則著 ファーストプレス
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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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