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日本の税率は金持ち優遇か?

前回、再分配後の所得でのジニ係数で見た場合、2000年代に入り日本の所得格差は拡大傾向とは言えず、所得累進課税、相続税、社会保障給付などの再分配政策はそれなりに機能していることを指摘しました。

消費税など何かと欧米並みにしろという意見が多いようですが、日本の再分配制度は国際的に見てどのような水準なのでしょうか。

■所得税の最高税率

所得税に関しては、高額所得者ほど税率が高い累進課税が適用されています。1990年代以降の英米独仏の累進課税の最高税率の推移を見てみます。

アメリカ
30%から40%の間で推移

イギリス
40%であったのが2010年代に入り50%に引き上げ

ドイツ
50%であったのが2000年代に入り40%台で推移

フランス
60%程度であったのが2000年代に入り50%前後で推移

日本の場合、1986年まで70%台であったのが、1987年から60%に引き下げられました。1989年に50%、1999年に37%となり、それ以降は上昇に転じ、2007年に40%、2015年に45%となっています。

所得税の最高税率は、おおむね先進国並みということができます。


■相続税の最高税率

相続税についても累進課税が適用されています。1990年代以降の英米独仏の累進課税の最高税率の推移を見てみます。

アメリカ
55%程度であったのが、2000年代に入り段階的に引き下げられ、2010年代から40%を下回る水準

イギリス
1970年代の75%から段階的に引き下げられ、40%で推移

ドイツ
35%から1990年代中盤に30%に引き下げ

フランス
40%であったのが2010年代に入り45%に引き上げ

日本の場合、戦後のシャウプ勧告により1950年に90%となったが、1952年には70%になり、長らくその水準程度で維持されました。2003年には50%まで引き下げられましたが、2015年には55%に引き上げられています。

相続税の最高税率で見ると、日本は欧米と比較して高い水準であるということが分かります。


【参考】
『21世紀の資本』トマ・ピケティ著 みすず書房
『図解 ピケティ入門』高橋洋一著 あさ出版

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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