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トランプ経済学⑦(減税政策の効果)

■トランプ減税は所得格差拡大を生む?

トランプ氏は法人税減税(35%から15%)、所得税制を簡素化した上で大幅な引き下げを提唱しています(適用範囲を5段階から3段階とし、所得の低い順から12%25%、33%を適用)。

この所得税減税については、確かに賃金所得への負担は平均で2.3%軽減されますが、負担軽減割合は下位層20%で0,6%、中位層で1.7%、上位20%層で3.2%、上位0.1%層で7.3%で、より所得が高くなるほど恩恵が受けられるようになっているとの分析があります。

トランプ支持者はプア・ホワイトで所得格差拡大への不満の声が今回の大統領選の結果につながったという論評が未だに根強いですが、実は高所得者層においてもトランプ氏のほうが投票を得ていることが分かっています。もともと共和党は高所得者寄りの減税を志向していますが、もしかしたら高所得者層はこうした減税のメリットを踏まえたうえでのトランプ支持だったのかもしれません。


■減税が景気拡大につながるとは限らない

法人税や所得税を減税すれば投資や消費につながり、景気拡大につながるし、さらにそれが税収増につながるという主張があります。しかしながら、増税は景気悪化につながる可能性が高いことは言えても、減税が景気拡大につながるかは不明であることが実証されています。


投資や消費は経済環境次第です。たとえば法人税減税を行っても、先行きの景気が不透明であればわざわざ設備投資を行わないでしょう。これからも所得が増えない、あるいは減りそうだということになれば、消費も抑えるはずです。

逆にこれから景気が良くなりそうだ、あるいは所得が上がりそうだと思えれば、投資や消費が増えるはずです。


■トランプ経済の最大のポイント

こうして見ると、今のところはトランプ氏の経済政策は、公共投資は○、減税政策は△から×、貿易政策は×で、鍵は貿易政策については現実路線への修正、公共投資と減税政策は財政規律を重視する共和党との調整ですが、最大のポイントはFRBとの政策協調にあると言えます。


【参考】
トランプ新大統領の経済政策を考える/三菱UFJリサーチ&コンサルティング/片岡剛士レポート

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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(お急ぎの場合は携帯電話までご連絡ください)

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