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日本銀行の独立性

■日本銀行は政府の一機関なのか?

経済学の世界では、政府と中央銀行は別の存在です。しかしながら、多くの人は「日本銀行は政府の一部では?」と思うのではないでしょうか?

日本銀行は、日本銀行法に基づく財務省所管の認可法人です。総裁、副総裁、審議委員は、衆参両議院の同意を得て内閣が任命します。日本銀行の職員は総裁が任命しますが「みなし公務員」です。資本金は1億円で、そのうち政府が55 %を出資しています。以上から考えると、日本銀行は政府の一行政機関と考えるのが妥当です。ちなみに買いオペにより、現在、国債の約4割は日銀が保有していますが、政府が日本銀行に支払う国債の金利は納付金として国庫に納付されます。


■日銀の独立性とは?

1998年の日本銀行法の全面改正により、日本銀行は「物価の安定」と「金融システムの安定」という2つの目的が明確化され、「金融政策の独立性」と「業務運営の自主性」が確保されました。それまで日本銀行は政府(特に旧大蔵省)の影響が強く、独立性の確保が悲願であったとも言われます。

「金融政策の独立性」とは、政府から独立した立場で金融政策を行うというもので、「目標設定の独立性」とも呼ばれます。「業務運営の自主性」とは、金融政策の具体的な手段の選択を日銀に任せるというもので、「手段の独立性」とも呼ばれます。ともに日本銀行の中立的・専門的な能力を期待したものです。


■独立性の弊害

しかしながら「金融政策の独立性」については、問題点も指摘されています。それは「そもそも政府の一機関である日本銀行が、政府の目標とは無関係な(あるいは政府の目標と反するような)目標を設定し、運営してよいのか?」というものです

実際に、政府と日本銀行との間で金融政策のあり方を巡って対立したり、両者の間で上手くすり合わせができていなかったりしたケースはあります。たとえば日本銀行は、小泉政権下の2006年には政府の反対を押し切って量的金融緩和の解除と政策金利の引き上げ(緊縮的な金融政策)を行いました。現在の黒田総裁以前はデフレ払拭にあまり積極的とは言えませんでした。

FRBの議長を務めたベン・バーナンキは、「中央銀行が自由に目標を設定できるという目標の独立性を民主主義社会で正当化することは困難だ。しかし、中央銀行が干渉を受けずに適切な金融政策を実施できるような手段の独立性は、経済安定のために極めて重要だ」と発言しています。

日本でも、日本銀行は政府と強調して目標を定め、それに責任を持ち、目標達成に失敗した場合の罰則を設けるよう日本銀行法を改正すべきとの声があります。






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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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