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歴史から学ぶ正しい姿勢①(ナチスの経済政策は正しいか?)

■日銀審議委員のナチス肯定発言

 

日銀の原田泰審議委員が講演で「ヒトラーが正しい財政・金融政策をして悲劇起きた」と述べたことが「ナチス礼賛だ」として批判が集まり、7月3日に原田審議委員が誤解を招く発言であったとして会見で謝罪しました。

 

事の発端はニューズウィーク日本版ウェブに628日に掲載された、ロイターの日本人記者の記事で、国際的な人権団体などから「日本のエリートはホロコーストの重大さを理解していない」などの批判が起こりました。

 

ナチスに対する嫌悪感は理解できますが、ナチスのやったことをすべて「悪」と決め付けるのは、歴史から学ぶ姿勢の放棄と言わざるを得ません。ホロコーストと経済政策はまったくの別問題です。

 

 

■ナチスの台頭を招いたものは?

 

一般的に世界史で習うのは、第1次大戦後のハイパーインフレがドイツの経済を奈落の底に陥れ、その結果、ナチスの台頭を招いたとされています。しかしながらドイツのハイパーインフレは1910年代末のことで、ナチスが台頭した1930年代初頭とは時間的に隔たりがあります。1930年代初頭といえば、世界大恐慌による大不況の時期で、当時のドイツ政府がまったく有効な政策を打てなかったことがナチスの台頭を招いたというのが妥当です。

 

ナチス政権は金融緩和と積極的な財政政策という、今で言うところの財政政策と金融政策の同時発動を行って景気浮揚させ、国民の支持を受けたのです。しかしながらこのような正しい経済政策により政権基盤を磐石にした結果、その後のナチスの暴走が悲劇を生んでしまったというのが原田氏の主張です。

 

この発言のどこが問題なのでしょうか?それとも私もナチスの礼賛者というレッテルを貼られてしまうのでしょうか?

 

原田氏は著作の中で、「そもそも、ヒトラーの前の政権が、金融を緩和し、デフレから脱却すればよかっただけの話である。そうすれば、失業率は低下し、人々は理性を取り戻し、人種差別や世界征服を呼号するナチスに投票などしなかっただろう。ヒトラーは政権に就くことができず、第二次世界大戦は起こらなかった」ということを述べています。

 

 

【参考】

「日銀がヒトラー称賛!」と騒いだマスコミの思考停止/ドクター・Z/現代ビジネス

「日銀の原田泰審議委員はヒトラーを賞賛してはいない。ロイターの記事は誤解を招く」/田中秀臣/ニューズウィーク日本版

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
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