fc2ブログ

真のグローバル企業

経済のグローバル化が叫ばれて久しいものがあります。私たちの身の回りを見ても多くの海外ブランドを目にします。こうしたブランドを見ると、世界中で活躍している企業が増えているようにも思えます。また先進国では経済成長に限界がある一方で、新興国市場の発展に伴い、企業はグローバル経営を目指すべきだという指摘があります。

 

 

■真のグローバル企業は何社あるか?

 

グローバル企業と言うと、「世界で通用する強みがあり、それを活かして世界中で満遍なく商売ができている企業」ということになろうかと思います。

 

アメリカのインディアナ大学のアラン・ラグマン教授は、2001年のフォーチュン500の企業で売上データの内訳が分かる企業365社を対象とし、「世界中から満遍なく売上をあげている企業はどれくらいあるか」を調査しました。世界の主要市場を①北米市場②欧州市場③アジア太平洋市場とし、企業の売上構成を見たところ、次のような結果になりました。

 

・ホーム市場への強い依存

ホーム市場とは、その企業の本社がある市場です。たとえば日本に本社がある企業はアジア太平洋市場がホーム市場になります。365社のうちホーム市場以外からの売上が過半を占めている企業は45社に過ぎないことが分かりました。

 

・真のグローバル企業は9社だけ

45社のうち、ホーム外の2地域の両方からそれぞれ2割以上の売上シェアを実現できている企業は9社しか存在しませんでした。

 

つまり真のグローバル企業は全体の3%しかなかったのです。ちなみのその9社とは、IBM、インテル、ノキア、フィリップス、コカ・コーラ、フレクストロニクス、モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン、ソニー、キヤノンでした。

 

 

■グローバルな日本企業は?

 

最近の日本企業のグローバル度を調査したものに、早稲田大学の入山准教授のものがあります。この調査によれば、2015年のフォーチュン500に選ばれた日本企業は54社で、このうち日本を含むアジアからの売上データが取れた43社を分析したところ、36社が、アジア太平洋市場(ホーム市場)からの売上が半分を超えました。そして、3地域から満遍なく売上を上げている企業は、キヤノンとマツダの2社だけという結果になりました。日本企業で調子が良いというと自動車メーカーが思い浮かびますが、欧州では苦戦しています(トヨタ10%、ホンダ5%、日産15%)

 

経済のグローバル化が進んでいるとはいえ、世界レベルで通用する企業はまだほとんどないことが分かります。

 

 

【参考】

「ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学」入山章栄著 日本BP

 

スポンサーサイト



プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
※ (at) は @ に置き換えて下さい
(お急ぎの場合は携帯電話までご連絡ください)

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR