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何かをやりとげるためのちょっとした工夫(ナッジ)

ナッジ

 

2017年のノーベル経済学賞は、行動経済学者のリチャード・セイラーが受賞しました。人間は必ずしも合理的に経済活動を行うわけではなく、心理面に大きく影響を受けます。「人間の心理がどう経済活動に影響を及ぼすのか」を研究するのが行動経済学です。

 

人間の意志は儚いものです。ダイエット、禁煙、貯蓄、自己啓発のための勉強は大抵は長続きしません。それが普通なのです。

 

望ましい結果を得るためには、意志の力ではなく、ちょっとした工夫が必要です。セイラーはこれを「ナッジ(注意のために肘で小突く)」と呼んでいます

 

 

■意思表明で自分の手をしばる

 

ナッジの典型例は、コミットメント(決意表明)です。人間は、一度決意表明をするとそれを守ろうとします。言い方を変えれば、コミットメントは誘惑に負けないために自分で自分の手をしばることを意味します。コミットメントは言葉で発するだけでなく、態度で示すこともできます。

 

たとえば貯蓄したいなら、自動引き落としの定期預金にしておけばよいでしょう。人間は現状維持の傾向があるから、解約はめったにしません。

また思い切ってクレジットカードを冷凍庫で凍らせておくというアイデアもあります。インターネントで買い物をしたくなっても、いちいちクレジットカードを解凍しなくてはならず、その間に買い物衝動も冷めるかもしれません。

 

 

■自分に罰を加える

 

計画どおりにいかなかった場合の罰則の仕組みも有効です。たとえば、アメリカでは、自分のカードの負債額を公開するというサイトがあるようです。負債が増えるほど恥ずかしい思いをするので、浪費を抑えることができます。

 

具体的には覚えていませんが、計画が未達に終わった場合、一定額を自動的にチャリティに寄付するというサービスもあるそうです。あえて嫌いな団体を登録しておけば効果的です。たとえばリベラル支持者だったら、貯蓄の目標額に達しなかったら、全米ライフル協会に自動的に寄付するという具合です。日本で安倍政権支持者なら、立憲民主党の枝野幸男事務所や辻元清美事務所に寄付するようにしておけば効果は抜群でしょう。

 

残念ながら日本ではこのようなサービスはないので、自分で作るしかありません。目標を掲げたら、その進捗状況を知人やネット上で公開することは極めて有効です。

 

さらに効果を上げるために、あなたの最も嫌いな知人に、「僕が今年の目標が達成できなければ10万円を君にあげる」と前もって約束しておくというのはどうでしょう?

 

 

【参考】

『実践 行動経済学』リチャード・セイラー著 日経BP

『予想どおりに不合理』ダン アリエリー著 早川書房

『お金と感情と意思決定の白熱教室』ダン・アリエリー著 早川書房

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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