fc2ブログ

選択肢が増えると楽しみが減る④

いまだ独身でぷらぷらしている私は結婚生活の専門家でもなんでもないのですが、これまで見てきた選択肢の問題を結婚生活に当てはめると面白いことがわかります。

 

 

■恋愛結婚すると夫婦の満足度を下げる?

 

自由恋愛でいろいろな人とお付き合いし、その中でベストと思われる人と結婚すれば、幸せになる確率は高いように思えます。一方、取り決め婚(両家の一族や家族が話し合って結婚を決める、新郎新婦はそれにただ従うだけ)なんて最悪だと思うのが普通でしょう。しかしながら、実際には恋愛結婚が取り決め婚よりも満足度が高いとは言えないようです。

 

恋愛結婚と取り決め婚のどちらがカップルは幸せを感じるかについて、インドのラージャスターン大学による調査があります。この調査は結婚期間がばらばらな50組を対象にしたものです。

 

これによれば、恋愛結婚した夫婦の幸せ度スコアは、結婚期間が1年以内の場合は91点満点中で平均70点でしたが、結婚期間が長くなるにつれ徐々に低下し、10年を超えるとわずか40点でしかありませんでした。

 

一方、取り決め婚の場合は、結婚したての場合は平均58点と恋愛結婚の場合を大きく下回りますが、期間が長くなるにつれ感情が高まり、10年超の時点で68点になりました。

 

長く結婚生活の満足度が高いのは取り決め婚のほうだったのです。

 

 

■取り決め婚は文化や社会規範の現れ

 

さて、このような調査結果が出た理由を考えてみましょう。まず、インド特有の文化的な背景に起因するところが大きいことは否定できません。インドでは家族や一族の絆が深く集団主義的なので、一族の一員としての条件を満たせば愛していなくても結婚するのはやぶさかではないと考える若者が大半(ある大学生を対象とした調査では75%)だそうです。そして絆を維持するために結婚相手の面倒を一族全体でみるとも言われています。よって、初婚の相手との結婚生活は維持される傾向が強くなります。

 

また、同じ価値観を持つ一族の会談をとおして厳しく選別された結婚相手との結婚であれば、自分の伴侶としても相応しい可能性が高く、結婚に失敗する可能性が低いともいえます。

 

 

■もともと恋愛結婚は後悔する可能性が高い?

 

さて、これまで触れてきた選択肢の観点からも考えてみます。恋愛結構の場合、そもそも何も束縛のない恋愛を互いに繰り返しているわけですから、結婚生活をその延長と捉える可能性はあります。よって、「結婚後に運命の人(別の選択肢)」に出会ってしまい、結婚生活が維持できなくなるおそれがあります。

 

さらに言えば、恋愛結婚で上手くいかなかった場合の後悔は非常に大きくなります。人間が良くない結果を得て後悔を感じるのは、①結果に対する責任は自分にあると感じている、②現実とは違うより良い選択肢が容易に想像できるの2点です。逆に自分ではコントロールできない要因で良くない結果がもたらされた場合や、他に選択肢が無かった場合には、後悔することはありません。

 

今の相手と結婚したのは自分の意思ですし、こういっては何ですが、今の相手より魅力的な人物は周りにいくらでもいますので、後悔は深くなり、結婚生活が破綻しやすくなります。

 

一方、取り決め婚の場合は、結婚相手を選ぶ自由はなく、かつ社会規範上あるいは宗教上の理由で離婚は簡単にはできないのですから、①も②も当てはまらず、結婚相手に対する後悔は持ちにくくなります。

 

日本の場合も、かつては取り決め婚の割合が高かったと思いますが、自由恋愛の時代になって夫婦の幸福度が大きく上がったとも考えにくく、上記の内容が当てはまるように思えます。

 

自由恋愛での結婚を上手く続ける秘訣は、もはや他の選択肢はない(再婚も浮気もできない)という状況に置くことに尽きるのでしょう。

 

【参考】
『選択の科学』シーナ・アイエンガー著 文藝春秋
『購買選択の心理学』バリー・シュワルツ著 ダイレクト出版

スポンサーサイト



プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
※ (at) は @ に置き換えて下さい
(お急ぎの場合は携帯電話までご連絡ください)

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR