fc2ブログ

高い賃金で人をつるのは逆効果ではないか?

財務省理財局の文書書き換え問題により、野党が日銀人事審理を拒否し、副総裁空席という事態が取り沙汰されていますが、衆参で多数を握る与党側の人事案はいずれ可決されるでしょう。

日銀の現在の金融緩和政策は維持される見通しで、失業率は最悪でも現状維持,あるいは若干の改善が期待できると思われます。すでにサービス業や小売業の一部では人手不足が生じているのはご承知のとおりです。

三大都市圏(首都圏・東海・関西)ではアルバイト・パート募集時平均時給は、1000円を超え、今後、正社員募集の賃金水準も上昇することが予想されます。

 

 

■賃金でつるのは限界あり

 

ただし,注意したいのは、どの企業でも賃金をあげられるわけではないし、自社の賃金を引き上げてもそれ以上の賃金を提供する企業はほかにいくらでもあるということです。つまり,賃金で人をつなぎ止めるには限界があるということです。

 

よって,やりがいのある仕事の提供や,従業員の承認欲求(自分を認めてほしいという欲求)に働きかける管理,働きやすい仕事環境の提供が鍵となります。

 

 

■高い賃金をアピールするのは逆効果?

 

企業側からみて賃金をあげることのデメリットは、コストアップだけにはとどまりません。もしかしたら早急に賃金をあげると、募集にもマイナスになる可能性もあります。

 

少し卑近な例かもしれませんが、子供に勉強や手伝いをさせる際に、いくらか金銭的なご褒美でつるということは、よく見られることです。これは、親から見ても、勉強や手伝いが苦役に見えているからで、「金銭を渡さなければやろうとしないだろう」という暗黙の了解があるからです。

 

相場よりもかなり高い賃金を目にすると、求職者側からすれば「この仕事はつらい(あるいはつまらない)のだろうな」と暗に想像してしまいます。現にきつい仕事は、おしなべて時給が高いですし、企業側もそれを認識してことさら賃金の高さをアピールしているように思えます。つまり賃金の高さをアピールすることは、「うちの仕事はきつい(つまらない)ですよ」というシグナルを送っているようなものだということです。

 

ある程度の賃金のアップはしかたがないにしても、企業側の従業員に対する姿勢が問われる段階にきているのではないでしょうか。

 

 

【参考】

『あなたの部下は、なぜ「やる気」のあるふりをするのか』釘原直樹著 ポプラ社

 

スポンサーサイト



プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
※ (at) は @ に置き換えて下さい
(お急ぎの場合は携帯電話までご連絡ください)

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR