fc2ブログ

良い競争業者②

前回につづき、同業者が存在することのメリットについて触れます。

 

 

■業界構造の現状を改善する

 

  業界需要の拡大

業界内で複数の企業が製品開発や広告などで競争することによって、業界の注目度が高まり、結果的に市場の認知度が上がり拡大するという効果です。

 

  代替供給源の提供

市場を独占してしまうと、買い手にとっては調達のリスクやコストが高まります。1990年代にパソコンのOSでマイクロソフトが市場のほとんどを取ってしまったっために、パソコンのユーザーとしてはマイクロソフトに対する警戒感が高まりました。その結果、Linuxなどの他の代替OSの支援や調達に乗り出した経緯があります。

他の自らの地位に取って代わる恐れがない供給メーカーがいれば、買い手側に不要な警戒感を抱かせずに済みます。

 

  業界構造の好ましい要因を助長する

多様な戦略をもつ企業が存在することで、業界の魅了を高めるという効果です。

 

 

■市場開発を促進する

 

基本的には「業界構造の現状を改善する」の①②のことです。複数企業が存在することで市場開発コストを分担することができたり、買い手側の複数の選択肢を提供したり技術の標準化を進めることで買い手側のリスクを低減したり、業界のイメージアップを測ったりできるといった効果です。

 

 

■新規参入を阻止する

 

既存業者間で連合して新規参入への対抗力を高めたり、業界内の激しい競争を見せつけることで新規参入を躊躇させたりすることができます。

 

また複数企業であらかじめ市場セグメントや販売チャネルを押さえ込んでしまうことで、新規参入の隙間を塞いでしまうということもあります。

 

 

■良い業者の条件

 

以上のように同業他社の存在は必ずしも悪いことばかりではありません。ポーターによれば、良い業者とは「業界ルールや常識をわきまえている企業」です。逆にルールをわきまえず業界常識を覆してしまうような企業は、業界をカオスへと追いやり、結果的には業界全体の収益性を破壊してしまうので悪い業者ということになります。買い手側にとってはチャレンジャー(悪い業者)の存在は歓迎すべきですが、業界企業としては最も警戒すべき相手です。

 

携帯電話におけるソフトバンクは、当初、チャレンジャーとして振る舞いましたので、NTTドコモやauからすれば悪い業者だったと思いますが、最近は上位2社と歩調を合わせている感があります。楽天などの新規参入の可能性を考慮して、既存業者として新規参入をブロックするという志向に変わったのかもしれません。

 

同業他社にはどういう利用価値があるのか、何を担わせれば良いかの観点から同業他社とのパートナーシップを検討し、自社の戦略を考える必要があります。

 

 

【参考】

『競争優位の戦略』M.E. ポーター著 ダイヤモンド社

 

 

 

スポンサーサイト



プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
※ (at) は @ に置き換えて下さい
(お急ぎの場合は携帯電話までご連絡ください)

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR