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チャレンジャー企業の戦略

リーダー企業にどう挑むか?

 

下位企業がリーダー企業に差別化で挑んでも所詮は真似されて潰されるのがオチです。圧倒的な力を持つ業界のリーダー企業に打ち勝つにはどのような戦略が求められるでしょうか。

 

リーダー企業は、強み(経営資源)があるから、現在の地位があるわけです。よって、その強みを無効化できれば下位企業(チェレンジャー企業)にも大きなチャンスが生まれます。

 

早稲田大学ビジネススクール教授の山田英夫教授は、チャレンジャー企業の戦略を、「リーダー企業が追随したいができない戦略(Cant)」「追随できるが追随したくない戦略(Wont)」「リーダー企業が企業内に蓄積してきた資産(企業資産)を攻撃する戦略」「リーダー企業のユーザー側に蓄積された資産(市場資産)を攻撃する戦略」を軸に、次の4つを示しています。


チャレンジャー戦略 ■企業資産の負債化

 

組み替えの難しい企業資産(ヒト・モノ・カネなど)、および企業グループが保有する資産(系列店、代理店、営業職員など)が価値を持たなくなるような製品・サービスやマネジメントシステムを開発することで、リーダー企業を攻撃する戦略です。

 

たとえば強力な代理店網や大勢の営業職員を抱えた既存保険会社に対するネット型保険の戦略が挙げられます。

 

 

市場資産の負債化

 

リーダー企業の製品・サービスを購入したユーザー側に蓄積され、組み換えの難しい資産(ソフトウエア、交換部品など)が価値を持たなくなるような製品・サービスを開発して、リーダー企業を攻撃する戦略です。

 

たとえば、リーダー企業のユーザーに対して格安の乗り換えプランを進めることがあります。リーダー企業は頬っておけばユーザー数を失いかねませんが、ユーザー数が多いので収益を圧迫する値下げに追随するのは難しくなります。

 

かつてNTTドコモやauと比べてユーザー数が少なかったソフトバンクが、新規契約した顧客に対し「基本料金2880円でソフトバンク同士の通話とメールが無料になる」という戦略(ホワイトプラン)を展開しましたが、これも「市場資産の負債化」の一種といえます。

 

ソフトバンクはユーザー数が少ないので、ユーザー同士の通話を無料にしてもあまり損害はなく、効果的に他社ユーザーを獲得できたのです。

 

 

■論理の自縛化

 

これまでリーダー企業がユーザーに対して発信していた論理と矛盾するような製品・サービスを出すことによって、安易に追随すると大きなイメージダウンを引き起こすのではないかと、リーダー企業内に不協和音を引き起こす戦略です。

 

高価格の高級ブランドに対して、中程度の価格で勝負するケースが挙げられます。リーダー企業は自らの収益を失いかねず、安易に追随できません。

 

 

■事業の共食い化

 

リーダー企業が強みとしてきた製品・サービスと共食い関係にあるような製品・サービスを出すことによって、リーダー企業内に追随すべきか否かの不協和を引き起こす戦略です。

 

たとえば既存技術に圧倒的な強みがあるリーダー企業に対して、次世代技術で攻撃することがあります。リーダー企業は既存技術に圧倒的に強みがあることが通常ですので、容易にそれを捨て去って次世代技術に乗り換えることが難しくなります。

 

かつてソニーはブラウン管テレビに用いられるトリニトロン技術に圧倒的に強みがありましたから、薄型テレビへの移行に遅れたというケースがあります。

 

 

【参考】

『逆転の競争戦略[第3版]』山田英夫著


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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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