fc2ブログ

新興国でイノベーションが生まれる理由①

イノベーションというと先進国発と考えがちです。しかしながら、新興国発のイノベーションも多く生まれており、イノベーションの普及が先進国よりも早いといったケースが見られます。

 

■新興国と先進国とのニーズのギャップ

 

「リバース・イノベーション」の著者である、ビジャイ・ゴビンダラジャンは、新興国と先進国とでは、5つのニーズのギャップがあるといいます。

 

  性能のギャップ

  インフラのギャップ

  持続可能性のギャップ

  規制のギャップ

  好みのギャップ

 

 

性能のギャップ

 

「途上国の顧客は低収入なので、適切な価格なら、性能面を大幅に譲歩しても構わないと思っている。」

 

よく日本製品はハイスペックだが価格が高すぎて新興国市場のニーズにマッチしていないといわれることがあります。よって、現地のニーズを的確にとらえ、15%の価格で50%のソリューションを提供できるように製品やサービスを設計する必要があります。

 

代表例としては、タタ・モーターズのナノ(2000ドル余りの価格の自動車)があります。

 

 

■インフラのギャップ

 

「先進国のインフラは整備されているが、途上国では構築中である」

 

新興国では、先進国がたどったような製品の普及過程が見られないことがあります。たとえばアフリカでは、多くの人が固定電話は持っていないが、スマホは持っているという事象が見られます。

 

また、新興国では、偽造が見られるため紙幣への信頼性が低く、FinTech(金融サービスと情報技術の融合、スマホでの送金など)の普及が早いともいわれています。日本の紙幣は世界でもっとも偽造されにくいと言われ、さらに治安がよく突然現金を奪われるリスクはほとんどないですが、それゆえに現金を持ちたがるという傾向が強いのかもしれません。

 

電気自動車の普及も、もしかしたら新興国のほうが早いかもしれません。先進国では、ガソリンスタンドなどのインフラが十分に整備されているので、ガソリン自動車から電気自動車への転換が遅くなるかもしれません。ガソリン自動車でも満足できてしまうし、ガソリン自動車のインフラを無駄にするようなことはしたがらないからです。ガソリンスタンドや石油会社も抵抗するでしょう。

 

一方、途上国のユーザーは、信頼できるインフラに依存しないソリューションを必要としていますし、インフラが不十分なので最先端のソリューションにすぐに飛びつく用意ができています。

 

【参考】

『リバース・イノベーション』ビジャイ・ゴビンダラジャン、クリス・トリンブル著 ダイヤモンド社

 

スポンサーサイト



プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
※ (at) は @ に置き換えて下さい
(お急ぎの場合は携帯電話までご連絡ください)

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR