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ピーク・エンド効果

ピーク・エンド効果とは、人は自分の過去の経験を「ピーク(最良・最悪)」と「エンド(終わり方)」 によって判断しているというものです。2つのケースを考えてみます。

 

<ケース1>

どちらの結腸内視鏡検査がよいか?

  時間は短いが最後に痛い思いをした検査

  ①と全体としての痛みの量は変わらないが、長時間におよび、最後にそれほど痛みがなかった検査

 

全体としての痛みの量は変わらず、短時間で終わるのであれば、①を選ぶのが妥当ですが、調査結果は、①のほうが圧倒的にひどい経験として記憶されました。

 

<ケース2>

どちらのCEOのほうが好ましいか?

  30年間まったく寄付活動をせず、低賃金で従業員を働かせ続けたが、キャリアの終盤にころっと態度を改め、給与を引き上げ、様々な慈善団体に多額の寄付をした。ところが半年後に突然心臓発作で息を引き取った。

  数十年間慈悲深いCEOとして、自分の利益よりも従業員の福祉を重視し、様々な慈善団体に多額の寄付をしてきた。しかしキャリアの終盤で態度が豹変し、従業員の給与をカットし、寄付活動も一切やめ、利益を1人占めするようになった。ところが半年後に突然心臓発作で息を引き取った。

 

善行の総量では、②のほうが①よりもはるかに大きいのですが、結果はほぼ同数でした。つまり、「29年におよぶ不実な行為と半年間の善行」と「29年におよぶ善行と半年間の不実な行為」を同じくらいの道徳性ととらえたのです。人は最後に起きたということだけで、それがたとえ短期間の出来事であったとしても、それまでの比較的長期間の出来事を無視してまで重視する傾向があるのです。

 

このことは私たちに対する他人の印象を考える上で極めて重要です。ピーク時(あるいは最後)の印象が悪ければ、いくらそれまで好印象を与えていたとしても、悪い印象しか残らないからです。「信用は一瞬にして失う」というのは心理学的にも裏付けられてしまうのです。

 

【参考】

When 完璧なタイミングを科学する』ダニエル・ピンク著 講談社

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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(お急ぎの場合は携帯電話までご連絡ください)

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