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中途半場な満足度では意味がない(ホッケースティック・ロイヤルティ)

■ホッケースティック・ロイヤルティ

 

前回、既存顧客の離脱率を5%改善すると、利益が25%上昇するという5:25の法則について、取り上げました。しかし、顧客満足度を高めることで再購買率を上げることは容易なことではありません。ましてや、良いクチコミを拡めてもらうのはそう簡単なことではないということは認識しておくべきです。

 

顧客のリピート率は、満足度と直線的な比例関係を示すのではなく、最高度の満足に達したときに突然リピート率が高まる傾向があり、これをホッケースティック・ロイヤルティといいます。


ホッケースティック・ロイヤルティ 

たとえば5段階の顧客満足度調査で、満足度を3から4にするのと、4から5にするのとでは、その効果はまったく異なります。そこそこの満足度(満足度3や4)では、リピートやクチコミにはまったく繋がらないのです。

 

問題点の改善と顧客満足度の向上を混同しているケースがよくみられます。確かに問題点を改善すれば、顧客の不満は解消されるかもしれませんが、それは単に「普通のレベルになっただけ」ともいえます。特に再購買率を高めるためには、「普通のレベル以上のもの」を目指す必要があります。

 

 

■普通以上の満足をめざすためには

 

製品やサービスの便益(ベネフィット)には、理性面でのベネフィットと感性面でのベネフィットがあります。機能(性能・スペック)的価値が理性面でのベネフィットにあたり、情緒的価値(商品を使ってみて感じる価値)や、自己実現価値(自分のパーソナリティを表現してくれる価値)は、感性面でのベネフィットになります。

 

石鹸を例にすると、「汚れがより落ちる」「泡立ちがよい」が機能的価値、「色や香り」「感触」「サッパリ感」が情緒的価値、「自然素材」「ナチュラル志向」「ラグジュアリー感」が自己実現価値になります。

 

サービス業の場合には、ベネフィットに加え、「プロセス品質(提供過程の品質)」が加わることがあります。製品のように形がないサービスの場合、購入前に適切な品質評価をすることが困難です。場合によっては、購入後も妥当な品質評価ができません。よって、利用者は、サービスの提供過程でサービスの質を評価しがちです。

サービス内容それ自体は他と大差なくても、スタッフが顧客の事情に即して真摯に対応すれば、顧客にとっての価値や満足は高くなります。

 

このようにベネフィットを広くとらえることで、普通以上の顧客満足度を目指すことが求められます。

 

【参考】

『サービスの経営学』今枝昌宏著 東洋経済新報社

 

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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