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交渉では先に条件を出すべきか?①

■こちらから条件を提示したほうが有利?

 

交渉の際には、まずこちらから条件を提示したほうが有利になるといわれます。

 

たとえば、あなたが知人から仕事である作業をやってほしいと頼まれたとし、これから話し合いで報酬を決めるとします。ただし相手はその作業がどれくらい手間がかかるのか分からないとします。あなたは8万円くらいは欲しいと考えていますが、逆に相手はなるべく支払いを安くあげたいと考えています。

 

この場合、あなたが先に多少吹っかけて売値を10万円と提示したとしたら、その後の交渉は10万円を基準に進むことになり、最終的に折り合う報酬額はおそらく10万円からそれほど離れた額にはならず、最低の希望額の8万円をもらえる可能性が高くなります。

 

一方、相手から先に5万円という提示があった場合には、5万円が基準になってしまい、結果的に8万円を得る可能性は低くなるでしょう。

 

これは行動経済学でいうところのアンカリング効果によるものです。アンカリング効果とは、最初にある一定の数値などを提示されると、それを基準に検討してしまうという認知バイアスのことです。

 

 

■最初に条件を提示すると不利になる場合

 

しかしながら、最初に条件を提示しないで相手の出方を見たほうが有利になる場合があります。

 

1つめは、相手がどれくらいの値をつけるのかまったく予想できない場合です。先のケースでは、もしかしたら相手が「20万円でどうか」と言ってくれるかも知れないからです。この場合、あなたが先に10万円を提示し、仮にそれで妥結したとしても10万円損をすることになります。

 

2つめは、双方の利害が一致する点(たとえば双方とも早く話をまとめたいと思っている等)があるかどうか分からない場合です。分からないまま、こちらから先に条件を提示したら、手の内を相手に晒してしまい相手につけ込まれる可能性があります。

 

先の例であなたとしてはぜひその仕事を得たいと思っていて、あなたは知らないが相手も早く契約したいと思っているとします。あなたが相手に早く契約するように促してしまうと(こちらから先に条件を提示)、相手につけこまれ、早く契約したいならもっと料金を下げるように譲歩を迫られるかもしれません。

 

【参考】

『競争と協調のレッスン』アダム・ガリンスキー、モーリス・シュヴァイツァー著 TAC出版

 

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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(お急ぎの場合は携帯電話までご連絡ください)

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