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無料セミナーのご案内

2回続けてご案内で恐縮です。64()に中野区産業振興センター(中野区中野二丁目1314号)で2時間のセミナーをいたします。

http://nakano-sangyoushinkou.jp/event/2955

 

テーマは、「なぜあの会社は儲かるのか? 「他社との違いを出して儲けを生む方法」

~ビジネスデザインのパターンを知る~」です。

 

同内容で何度か講演させていただいたことがあるのですが、御好評頂きました(多分)。

また東京商工会議所の専門家コラムでも一部内容は掲載しており、ありがたいことにアクセス数が一番多いとご担当者の方からご連絡を頂いています。

https://www.keieiryoku.jp/column/detail/?id=6

 

参加費は無料ですので、ご多忙とは思いますが、よろしければぜひご検討頂ければと思います。

 

 

≪開催日≫

201964()

≪時間≫

18302030分(受付開始 1800分)

≪概要≫

同業他社に勝つためには、「差別化が必要だ」「他社にないユニークなポジション取りが必要だ」とよく言われます。確かにそのとおりなのですが、「言うは易く行うは難し」で、実際に個人でそれを考えるのは難しいところです。また、ビジネス書などを見ても、大企業向けの内容が多く、必ずしも創業者をはじめ中小企業にとっては使い勝手がよいものとなっていません。

他社との違いを出すことは、何も難しいことではありません。差別化の観点をいくつか知っているだけで、誰でも思いつくことができます。

本セミナーでは、「差別化の観点」「顧客価値の提案」「ポジショニング」「ビジネスモデル」について、中小企業にとって使いやすいフレームワークをご紹介します。

 

≪参加料≫無料

≪募集人数≫先着20名(定員になり次第、締切となります)

≪応募方法≫電話・FAX・産業振興センター2F窓口

インターネットからのお申込みフォームは

http://nakano-sangyoushinkou.jp/kouza-20190604

 

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雑誌連載記事のご案内

「世相を読み解く 診断士の眼」というコラムの連載をさせていただいています月刊誌「企業診断6月号」が発売されました。


 6.jpg

 

今回のテーマは、「「膨張し続ける国家予算」の真の姿―なぜ予算だけを見て決算に注目しないのか?」です。

 

少し前の話ですが、3月27日に2019年度当初予算が国会で可決・成立しました。一般会計総額は1014571億円と,当初予算として初めて100兆円の大台を突破しました。

毎年,予算時期になると,「過去最大の予算規模」が報じられ,「国債頼みの国家運営 遠のく財政健全化」とか「国民にツケを回す大盤振舞い」といった流れに続くのが,典型的なマスメディアの報道姿勢でしょう。そこには「財政の緊縮が大事だ」というメッセージが読み取れます。

一方,日本銀行(以下,日銀)は20134月以来の量的金融緩和を実施しています。これについても,お金の量を拡大し続けることへの批判が多いです。

今回は,経済政策運営について,予算(計画)と決算(実績)の観点から確認してみたいと思います。

 

機会がありましたら是非お読みいただければ幸いです。

 

顧客を具体化する⑤(ストーリーボード)

ストーリーボードとは、映画業界で用いられているカット割のように、象徴的ないくつかの体験を文章とイラストで表現したものです。カスタマージャーニーやシナリオで表現した物語を、さらにビジュアルを用いることで、関係者のストーリーに対する理解や共感を深めることができるのが特徴です。

 

これまで同様、「周囲の人と共有しフィードバックが得られるスケジュール管理のためのアプリ」を例にしてみます。

ストーリーボード

<良いストーリーボードの例>

・カスタマージャーニーと同様、ビジネス機会の要点を示す適切な要素がシーンとして選択されていること。

・主人公の気持ちがわかるように、表情や動作が描かれていること。

・要点を表現するために、寄りと引きを適切に使い分けたイラストになっていること。

・必要に応じて主人公の行動だけでなく、周辺の文脈も理解できるような背景が描かれていること

 

 

【参考】

『機会発見』岩嵜博論著 英治出版

顧客を具体化する④(シナリオ)

シナリオとは、ペルソナやカスタマージャーニーをもとに、実際におこりそうなストーリーにまとめたものです。

 

三人称形式で記述すること、文章を過去形にすることで、登場する主人公やストーリーの内容が現実にあるものとして感じられるようになり、実際にありそうなストーリーとして読み手に受け取られやすくなります。

 

これまで同様、「周囲の人と共有しフィードバックが得られるスケジュール管理のためのアプリ」を例にしてみます。

 

<シナリオの例>

ユキはインターネットメディア会社に入社して3年目になり、一人前に仕事を任されるようになってきた。ミーティングの機会も増え、しかもミーティングの日程がコロコロ変わる。しばらく紙の手帳を使っていたが、仕方なくWEBでもモバイルでも管理できるスケジュール管理サービスに変えてみることにした。

 

唯一の心残りは、紙の手帳に時々書いていた自分への励ましのメッセージが自由に書けなくなること。だがこのスケジュール管理サービスは、自分のスケジュールを友達にシェアして、友達からコメントがもらえる機能があるらしい。普段から写真やメッセージをソーシャルメディアにシェアしているので、一回試してみようと思った。

 

スケジュールをシェアすると、深夜残業の予定に対して、早速友達から励ましのメッセージが届いた。残業はちょっと憂鬱だったけど、友達からの言葉で前向きに。商品開発ミーティングの予定に対しては、その領域に詳しい友達から参考情報が届いていた。早速ミーティングで一緒になる先輩に教えてあげよう。

 

しばらく使っていると、友達のシェアスケジュールが通知で届くようになり、友達と自分の仕事が近いことに気づく。最近の業界情報を教えてあげよう。自分が知っていることが友達の役に立つのがこんなに楽しいなんて。

 

職場ではなかなか同世代が少なくて、気軽に周りの人に話しかけたりできなかったけれど、このスケジュール管理サービスを使っていると、まるで友達に囲まれて仕事しているような気持ちになってきた。友達からの応援コメントや情報共有のおかげで、毎日の仕事がもっと楽しくなってきた。

  

<良いシナリオ>

・物語の中に提供物の価値が埋め込まれているもの

・提供物を利用したときの主人公の気持ちが記述されているもの

・こんな世界があってもよいかもしれないという可能性を感じるもの

・長すぎず簡潔なもの(1~2ページ程度)

 

 

【参考】

『機会発見』岩嵜博論著 英治出版

顧客を具体化する③(カスタマージャーニー)

カスタマージャーニーとは、生活者が機会に基づいた提供物を利用する様子を、顧客体験の道のりとして図示したものです。

 

カスタマージャーニーの特徴は、顧客体験の構成要素を時系列的に並べることで、どのような要素があるかが明確になり、その要素同士がどのような順序でつながり、その結果どのようなストーリーになるかがひと目でわかる点です。

 

前回同様「周囲の人と共有しフィードバックが得られるスケジュール管理のためのアプリ」を例にしてみます。 

カスタマージャーニー


<良いカスタマージャーニーの例>

・機会の要点を示す適切な要素が各ステップで述べられていること

・機会の全体像が理解できるように、始まりと終わりの範囲が適切に設定されていること

・提供物に加えて気持ちの変化が記述されていること

<悪いカスタマージャーニーの例>

・重要な部分が抜けていたり、要素が冗長に説明されていたり、要素の選択が不適切なもの

・始まりと終わりの範囲が不明確、あるいは不適切なもの

・提供物のみ、あるいは気持ちの変化のみの記述に留まり、両者の関係が明確でないもの

 

【参考】

『機会発見』岩嵜博論著 英治出版

顧客を具体化する②(ペルソナの例)

前回のペルソナについて、「周囲の人と共有しフィードバックが得られるスケジュール管理のためのアプリ」を例にしてみます。

 

名前

ユキ

 

属性情報

・25歳女性

・大学卒業後、インターネットメディア企業に新卒で入社、現在3年目

1人暮らしで、週末は大学時代の友人や会社の同期が家に遊びに来る

 

動機や価値観に関する情報

・基本的に1人でいるよりも誰かと一緒にいるほうが落ち着く

・最近友達に誘われ料理教室に何度か行った。料理よりも知らない人と話すのが意外と面白いと思った。

・社会人になって3年が経ち、ふと立ち止まって将来のことを考える余裕と機会が増えた

・将来のことを考えるのはちょっと不安だけど、同時にわくわくする

 

利用や購買に関する背景情報

ソーシャルメディア関連

・小学生の頃から携帯電話を持ち、スマートフォンを使いこなす

・数あるソーシャルメディアは一通り体験済、上辺だけのやり取りにはやや疲れを感じている。

・真剣な相談に乗ってくれる限られた友人とは頻繁にメッセンジャーでやり取りしている

 

スケジュール管理関連

・社会人になってスケジュールに記入する予定の数が増えた

・仕事柄、スケジュールが何度も変更になることがあり、最近紙の手帳からスマートフォンでのスケジュール管理に変えた

・紙の手帳を使っていた頃は、手帳の隅に好きな言葉や自分への励ましのメッセージを記入していた

・スマートフォンのスケジュール管理は、機能的だけど時々冷たさを感じてしまう

 

 

ペルソナの記述にあたっては、より多くの関係者に共感してもらえるようなリアリティを追求することがポイントとなります。

 

<良いペルソナの例>

・属性に加えて、休日の過ごし方や趣味などライフスタイルがうかがえる背景情報の記述があるもの

・行動や嗜好の理由が描かれているもの(「○○が好き」だけでなく、なぜ好きなのかが分かる)

・実在すると思えるリアリティがあるもの

・多くの人がこんな人がいそうだと思ってもらえるもの

 

<悪いいペルソナの例>

・性別、年齢、職業などの属性情報ばかりでライフスタイルが見えてこないもの

・行動や嗜好のみで、その背景の記述がないもの

・人物像の理想が高く、リアリティがないもの

・特殊な記述になりすぎて、一部の人しか理解されないもの

 

 

【参考】

『機会発見』岩嵜博論著 英治出版

顧客を具体化する①(ペルソナ)

ある程度、顧客への提供価値を考えたら顧客を具体化する作業に入ります。具体化することによって自身の顧客イメージを明確にするとともに、上司や関係部署、顧客を説得するためのコミュニケーションツールとして使用します。

 

その際には、ペルソナ、カスタマージャーニー、シナリオ、ストーリーボードといったツールを作成します。

 

 

■ペルソナとは?

 

ペルソナとは、物語の主人公として架空の生活者(ユーザー)を設定し、動機や価値観など、自社が想定している商品・サービスと関連付けた人物像を記述するものです。物語を目にした誰もが、主人公に対して本当にこんな人がいそうだと思えるように、リアリティを持たせることがペルソナ設定のねらいです。

 

ペルソナの構成要素は、属性情報(架空の名前、性別、家族構成、職業、趣味、収入など)に加え、動機や価値観に関する情報、商品・サービスの購買・利用にあたっての背景情報です。こちらが描こうとしているビジネス機会を想定し、またデプスインタビューやエスノグラフィー調査を通じて知り合った実際の対象者のことを念頭に置きながら記述していきます。

 

ペルソナ設定では、特に顧客の動機や価値観に関する情報が重要です。たとえば○○というブランドが好きという情報だけでは表面的な記述にとどまってしまいます。なぜそのブランドが好きなのか?なぜ△△ではなく、○○なのかを深掘りし、その情報を付加することで、そのペルソナの価値観がよりリアリティを持ちながら明確になっていきます。

 

 

【参考】

『機会発見』岩嵜博論著 英治出版

 

 

新規事業開発のための顧客調査⑦(AEIOUの例)

前回のAEIOUについて、写真整理をしたいシニアむけのデジタルカメラを例にしてみます。

 

ACTIVITIES(行動、行為)

・写真の整理は月に1回、まとめて行っている

・今でも時々、古い写真アルバムを見返すことがある

 

ENVIRONMENT(空間。周辺環境)

・リビングに置いてあるPCで写真を整理する

・古い写真アルバムが収納スペースを占拠してしまっている

 

INTERACTIONS(関係性、相互作用)

・サークル仲間に写真を配ると喜んでもらえるので嬉しい

・離れたところに住む子供が帰ってくると、時々アルバムを見ながら昔話が盛り上がる

 

OBJECTS(モノ)

・デジタルカメラで使った過去のメモリーカードが溜まって保存場所に困っている

・写真アルバムにはラベルがついていないので、中を見ないといつの写真かわからない

 

USERS(人)

・写真を撮るのも整理するのも、もっぱら夫の役割

・夫はカメラは好きだが整理は苦手

 

【参考】

『機会発見』岩嵜博論著 英治出版

新規事業開発のための顧客調査⑥(AEIOU)

AEIOU

 

AEIOUとは、定性調査で着目すべきフレームワークです。さらに定性調査から得られた情報を網羅的に整理する際にも使用します。要素を個別にみるのではなく、要素間のつながりを意識し、結合を促します。

 

ACTIVITIES(行動、行為)

・対象者が行っている特徴的な行動や行為

・行動や行為のプロセスステップ

・日常的にパターン化された行動、行為

・一時的な行動、行為

 

ENVIRONMENT(空間。周辺環境)

・対象者の住居周辺から得られる示唆

・間取りなどの住居内の様子から得られる示唆

・空間や周辺環境が対象者に与えている影響

 

INTERACTIONS(関係性、相互作用)

・対象者と家族や友人とのつながりや関係性から得られる示唆

・対象者と周囲の人々とのつながりや関係性から得られる示唆

・対象者と周辺のモノや環境との関係性

 

OBJECTS(モノ)

・対象者の生活環境の中にある興味深いモノ

・生活環境の中にあるモノから推察される対象者の人となり

・生活環境の中にあるモノから示唆される動機や価値観

・モノの存在が対象者に与えている影響

 

USERS(人)

・対象者の生い立ちから推察される動機や価値観

・対象者が大切にしていること、譲れないこと

・対象者のありたい姿、理想像

・対象者以外に関係している人

・それぞれの人の役割

 

次回は、AEIOUの例を取り上げます。

 

 

【参考】

『機会発見』岩嵜博論著 英治出版

新規事業開発のための顧客調査⑤(体験分析)

■体験分析とは

 

体験分析とは、対象としている製品・サービス・事業に関する体験を、最初から順を追って改めて記述・構造化するものです。

 

たとえば、カーシェアリングサービスであれば、最初に車を借りようと思い立ち、WEBやアプリで予約し、予約時間直前に通知をもらい、駐車場に出向き、キーを開け、運転中に予約時間の変更を行ったりして、最終的に駐車場に戻って返却手続きをして、後で利用明細がメールで届く、などといった体験の流れを整理します。

 

体験分析はデプスインタビューやエスノグラフィー調査で得られた定性情報を整理して、新たな顧客価値がないかを発見するために用います。

 

 

■5Eモデル

 

Eモデルとは、体験分析を行う際に用いるフレームワークです。導入(entice)、直前(entry)、体験中(engagement)、直後(exit)、体験後のつながり(extention)の5つの枠に当てはめていくことで、短時間で体験の流れを整理し、構造化することができます。

 

<各体験段階での検討内容>

 

○導入(entice

何をやりたい、欲しいと思ったときのユーザーの行動を整理する。カーシェアリングであれば、車を借りようと思ったときに、アプリを使って空き状況を検索する行為などがこの段階にあたる。

 

○直前(entry

「導入」と「体験中」の間にある、つなぎ目の部分に注目して整理する。カーシェアの例では、予約時間の直前の通知や駐車場までの行き方表示などがこの段階にあたる。

 

○体験中(engagement

どのような体験ができて、ユーザーに対してどのような価値を提供できているかを整理する。カーシェアの例では、車そのものの快適性やカーナビの使い勝手、給油のしやすさなどがこの段階で検討すべきことである。

 

○直後(exit

体験から通常の生活への、スムースに橋渡しができているかを整理する。カーシェアの例では、車の返却直後の利用明細がメールで届いたり、社内に忘れ物がないかどうかのリマインドといった内容がこの段階にあたる。

 

○体験後のつながり(extention

体験中に不足していたことをフォローできているかどうか、次の体験につながる仕組みがあるかなどを検討する。カーシェアの例では、利用履歴を確認できたり、次回利用できるクーポンが提示されたりすることがこの段階にあたる。

 

 

【参考】

『機会発見』岩嵜博論著 英治出版

新規事業開発のための顧客調査④(調査対象者の選定)

■まず極端なユーザーに着目する

 

エスノグラフィー調査では、新しい機会につながる示唆を得られるかどうかを重視して対象者を選定します。そのため、新しい生活行動を先行して、やや極端に実践しているユーザー(エクストリームユーザー)を対象者にすることが有効です。エクストリームユーザーの特徴的な行動から未来の示唆を得ることができます。

 

エクストリームユーザーの行動そのものが一般化するというよりは、彼ら彼女らが先行的に行っていることが、将来普及しやすい形となって一般化するという考え方です。

 

平均的な対象者からこうした示唆が得られることは少ないでしょう。まずどのような新しい顧客価値が考えられるか探る仮説発見型のアプローチでは、いかにそれまでの枠組み外の視点を獲得できるかが求められるため、調査する対象はエクストリームユーザーになるのです。

 

もっとも仮説を立ててそれを検証する段階では、一般的なユーザーに買ってもらわなければならないので、エクストリームユーザーではなく、平均的な対象者を相手に調査する必要があります。

 

 

■エクストリームユーザーの選定

 

エクストリームユーザーの例としては、次のようなことが考えられます。

 

・極端に多く、あるいは高頻度で使っている人

・行動の継続期間が長い

・現状ではまだ一般的になっていないことを、こだわりをもって時間とコストをかけて実践している

 

エクストリームユーザーの行動が将来そのまま一般化するとは考えにくいかもしれませんが、多くの人が取り入れやすい製品やサービスとなって普及する可能性は十分にあります。

 

 

【参考】

『機会発見』岩嵜博論著 英治出版

新規事業開発のための顧客調査③(エスノグラフィー調査)

■エスノグラフィー調査とは

 

エスノグラフィー調査とは、文化人類学や社会学のフィールド調査で用いられてきたものです。対象となる人の生活の現場に実際に赴き、現場に入り込み、話を聞くだけでなく、行動やしぐさ、周囲の人の観察を通じて対象を理解します。

 

前回のデプスインタビューでは、会場でのインタビューであるため、生活環境に関する情報を得ることが困難です。よって、デプスインタビュー後にエスノグラフィー調査を行うことが有効です。

 

こちらも手間が掛かるので、5から10件程度のサンプルを1ヶ月半程度かけて収集するのが標準的です。

 

消費財の場合は、多くの場合は自宅に訪問して観察することになりますが、それ以外にも次の訪問先が考えられます。

 

○サークル活動やコミュニティ活動をしている場合

・サークル活動やコミュニティ活動の現場に同行する

・一緒に活動している方にインタビューする

○消費財がテーマの場合

・自宅インタビューに加えて、普段の買い物に同行する

・複数箇所に同行すると、場所ごとの購買行動の違いを確認できる

○自動車や自動車関連商品がテーマの場合

・自宅インタビューに加えて車に乗せてもらう

・乗車中や乗車後にインタビューする

・訪問先の許可が得られれば、ディーラーや整備工場など、対象者が普段付き合いのある場所に同行する

○都市開発など空間がテーマの場合

・対象者が普段訪れることが多い場所に一緒に訪問する

・訪問先の許可が得られれば、馴染みのお店などに一緒に訪問する

 

産業財の場合は、オフィスや工場など生産現場に訪問することになります。

 

【参考】

『機会発見』岩嵜博論著 英治出版

新規事業開発のための顧客調査②(デプスインタビュー)

■デプスインタビューとは

 

デプスインタビューとは、1人の対象者に対して価値観や利用・購買動機について深くインタビューするというものです。

 

一般的なグループインタビューだと「対象者1人1人から深い情報が得られない」「他の人の意見や視線が気になって本音が引き出しにくい」といったデメリットがあります。深い本音の情報を引き出すためには、1人1人と時間をかけて信頼関係を築く必要があります。

 

もっともそれだけ時間がかかるのも事実で、標準的には1人あたり1時間半程度、サンプル数10件程度を1ヶ月程度かけて収集します。

 

一般的なインタビューガイドは次のとおりです。

 

1.趣旨説明と自己紹介(5分程度)

・インタビューアーの自己紹介

・インタビューの趣旨説明(内部資料として活用するものであり、外部には非公開)

・インタビュー時間や大まかな内容についての確認

 

2.対象者自身について(15分程度)

・自己紹介(家族構成、お仕事、趣味、休日の過ごし方など)

・(事前にヒアリングシートでのアンケート調査を行った場合)調査内容を確認しながら対象者自身についてのインタビューを進める

 

3.テーマについて(50分程度)

・テーマに関する質問をする

・事実に関する質問から始めて、動機や価値観について聞いていく(たとえば当該商品の購入場所から始めて、思い入れや愛着などを聞く)

 

4.今後の展望について(15分程度)

・テーマに関連した今後やってみたいこと、計画していること、興味があることなどを聞く

 

5.クロージング(5分程度)

・聞き逃したことがあれば追加質問する

・お礼を述べて謝礼などの手続きがあれば行う

 

紙のアンケート調査での回答と、実際に話をして得た回答では内容が大きく異なることはよくあることです。アンケートシートをもとに話を聞くことは本当の情報を得るためには欠かせません。

 

 

【参考】

『機会発見』岩嵜博論著 英治出版

新規事業開発のための顧客調査①(定性情報)

■買ってくれる顧客を5人挙げられるか?

 

新規事業が失敗する理由は様々ですが、もっともありがちなのは「これならある程度売れるだろう」と自分たち本位で考えてしまうことです。そして大抵は結局ほとんど誰も買わなかったというオチになります。

 

新規事業は企画段階で顧客への提供価値や顧客を具体的にイメージできなければ必ず失敗します。購入してくれる顧客を最低でも5人想定できなければ、新規事業はまず失敗するともいわれています。

 

 

■これまでの枠組みを超えた発想が必要

 

今までになく価値の高い顧客への提供価値を考える際には、これまでの枠組みを超えた発想が必要になります。

 

たとえば、「机の前に座ってキーボードで文字や数字を入力する」という従来の枠組みでパソコンを考えると、「デスクトップかノートか」「ハイエンドかローエンドか」といったようなそれまでの延長上の発想しか出てこなかったりします。

 

しかし、「机の前に座ってキーボードで文字や数字を入力する」という従来の枠組みを超えることで、「画面タッチで操作する」「音声で操作する」「電話と一体化する」「身につけられる」「モノと一体化する」「通信機能を持つ」という発想が生まれました。

 

 

■価値の高い顧客価値のヒントは定性情報にあり

 

そもそも顧客に関する情報には定量情報と定性情報の2つがあります。

 

定量情報とは、アンケート調査の選択回答を統計処理したもの、人口データや売上データなど、数値化できる量的情報です。

 

一方、定性情報とは、アンケート調査における自由回答や、インタビューでの発言、フィールドワーク時の写真や映像など、文章や画像で構成される数値化が困難な質的情報のことです。

 

定量情報は、アンケート調査の選択肢のように、既存の枠組みを事前に設定したものを計画的に収集という性質が強いです。

 

一方、定性情報は、インタビューの質問に対して対象者が自由に答えるといったように、事前の枠組み設定が弱く、収集される情報も自由度が高いものになります。自由度が高いとは、自分たちにとって思いもよらなかった「枠外の視点」がもたらされやすいということです。

 

一般的に市場環境データや販売データといった定量情報をもとに商品やサービスを考えるということがよく見られますが、はっきりいってこれではうまくいきません。データといった定量情報だけでは、これまでの枠組みを超えた発想は困難ですし、顧客の背景や価値観がわからないからです。特に新規事業に新奇性が求められる場合には、定量分析が顧客価値を考えるヒントとなることはほとんどないと言っていいでしょう(過去に実績がないのだから当然ではあります)。

 

他社にない顧客価値を創造するためには、顧客の属性、背景、置かれている状況、価値観などの定性情報の収集が求められます。そのための代表的なツールとしては、デプスインタビューやエスノグラフィー調査があります。どちらも手間がかかるので、一般的な顧客アンケートを実施したあとに行うという手順になります。

 

 

【参考】

『機会発見』岩嵜博論著 英治出版

 

プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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連絡先:rsb39362(at)nifty.com
※ (at) は @ に置き換えて下さい
(お急ぎの場合は携帯電話までご連絡ください)

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