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消費者をイノベーションに巻き込む方法②(無印良品の例1)

前回、「インターネット上の掲示板で消費者の企画アイデアを募り、その中から実現可能なものを他の消費者に公開し、購入希望者を募って、商品化の必要最小購入者数を上回れば商品化に踏み切る」というUD法(use-driven method:ユーザー起動法)を紹介しました。

 

UD法の例として、やや古い事例ですが無印良品(良品計画)の「みんなの声カらモノづくり家具・家電」プロジェクトを取り上げたいと思います。このプロジェクトは、消費者起点のアイデアをもとに商品開発を行うというもので、月当たり1テーマずつ合計12テーマを、1年間の期限付きで行うというものでした。その中でもっとも高い売上をあげた開発テーマ「すわる生活」、最終商品名「体にフィットするソファ」を例にしたいと思います。

 

  プロジェクトに参加するにあたっては消費者は、会員登録(無料)する。登録した消費者がインターネット上の掲示板に書き込みを行うことから以下のプロセスは開始する。

  消費者からの書き込みから抽出した商品開発テーマを発表する。

例)「すわる生活」

③ 示されたテーマに対して消費者が商品アイデアを投稿する。

  例)「すわる生活」をテーマにした場合

  体を預ける大型クッション、背もたれしっかりのフロアソファー、寝転びながらリラックスできるクッションマット、リラックス座椅子

  良品計画側で消費者から出たアイデアを整理、集約化した複数のアイデアに対して消費者が自分が気に入ったものを投票する。

例)体を預ける大型クッション  90票

背もたれしっかりのフロアソファー  47票

寝転びながらリラックスできるクッションマット 34票

リラックス座椅子  31票

脚付き座椅子・あぐら座椅子  25票

  ④で一番投票数が多かったアイデアに対して、いくつかのデザイン案を良品計画側が作成し、それに対して消費者が自分が気に入ったものを投票する。

例)「体を預ける大型クッション」の場合

   素材・ファブリックタイプ  177票

   ユニットタイプ  97票

   リラックスサポートタイプ  57票

   中空タイプ  19票

  ⑤で一番投票数が多かったものに対して商品化を検討し、仕様の詳細、製造メーカー、商品化最小ロット、予定販売価格を確定していく、

例)商品名:体にフィットするソファ

   商品仕様:素材

       カバー ストレッチ素材(ナイロン74%、ポリウレタン26%、綿100%)

       本体:0.5mmの微粒子ビーズ約6kg

       サイズ:幅65×奥行65×高さ43(cm)

       最小ロット:50

       販売価格:19,000

  確定された商品案に対して購入予約を募り、その数が商品化最小ロットを超えた場合、商品化を決定する。ただし、予約受付3ヶ月を過ぎても予約が最小ロットに達しない場合は、商品化を中止する。

  購入予約者への販売完了後、ネットに加えて、実在店舗での販売を開始する。

  販売後も購入者からのコメントを受付け、その情報を商品の新規開発、修正に継続的に反映させていく。

 

       

【参考】

『競争的共創論』小川進著 白桃書房

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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(お急ぎの場合は携帯電話までご連絡ください)

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