社内や取引先との打ち合わせやメール、プレゼン、朝礼でのスピーチなど、ビジネスの現場では様々なコミュニケーションが発生します。しかしながら、メッセージの伝え方が上手な人と、そうでない人がいます。今回は、コミュニケーションの基本について、取り上げます。
■コミュニケーションの基本「AIM」
AIM(目的)とはダートマス大学のメアリー・マンター名誉教授らが紹介したコミュニケーションのフレームワークです。
A=Audience(聴衆):どんな属性の人に伝えるのか
I=Interest(目的):伝えることによって相手に何をしてほしいのか
M=Message(メッセージ):どんなメッセージを伝えれば相手は行動してくれるか
AIMを使ったコミュニケーションの例を見ていきます。
■ケース1(企画提案)
「あるテレビ局のプロデューサーは、予算1億円の単発ドラマを制作したいと考え、番組企画会議にはかることにした。どのような企画案でどのようにプレゼンすればよいか?」
A=Audience(聴衆):
・企画を審議する人たちはどんな番組にメリットを感じるか?テレビ局のブランドイメージの向上?コスト削減?偏りのない番組編成?若手のプロデューサーの活躍の場?
・彼らにイエスと言わせるためには、何を提案したらいいか?
I=Interest(目的):
・プロデューサーは、この会議で何を達成したいのか?その場で1億円の予算を獲得したい?試作番組の制作用の予算が1000万円獲得できればよい?開発プロジェクトを立ち上げることだけ決まればOK?詳細を詰めるための次回ミーティングの設定ができればOK?
M=Message(メッセージ):
・どんな企画書を書けば相手はのってくるのかを考えて、相手のメリットを強調した企画書を作成する。自分のやりたいことだけを強調しても目的は達成できない。
・企画会議の各メンバーの属性や利害を把握する。その上で、意思決定の仕方について知っておく。多数決かキーマンの独断なのかによって、訴求内容が変わる。
【参考】
『スタンフォードでいちばん人気の授業』佐藤智恵著 幻冬舎