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ストーリーを経営に活かす⑥

「良い経営理念・ビジョンの条件④」で取り上げたジョンソン・エンド・ジョンソン(異物混入時の全品回収)の例や、「ストーリーを経営に活かす①」で取り上げたノードストローム(自社で扱っていないスノータイヤの返品)は、ストーリーとして半ば伝説となっています。人々の間で語り継がれ、その結果、ブランド価値の向上に貢献しました。

 

今回はもう1つアメリカのホールフーズ社の例を挙げてみます。同社はアメリカの自然食品小売業界を代表する小売チェーンです。1978年に小さな自然食品店として開業した同社は、卓越したカスタマーサービスで急成長を遂げ、現在店舗数465店、従業者数8万7千人、売上高157億ドルを誇る大企業です。

 

2007年、アメリカ・コネチカット州のある店舗で突然、レジがすべて故障してしまうというアクシデントが起きました。新しいコンピューターシステムを導入したのが原因のようでした。困惑するレジのスタッフの目の前には来店客の長蛇の列。

 

それを見た副店長のテッド・ドノヒュー氏は、すぐさま現場で決断し、スタッフにこう伝えました。「故障が治るまで、全ての商品を無料にしてください」

 

レジのスタッフは、「レジが壊れていますから、そのままお持ち帰りください」と袋に詰めた商品を次々に渡し、顧客を驚かせました。

 

店の損失は合計4000ドル(45万円)程度だったようですが、副店長のドノヒュー氏の決断を責める人は誰もいませんでした。むしろこの対応に感動した顧客から感謝の手紙が山のように届き、それが地元の新聞に大きく取り上げられ、「ホールフーズは顧客を大切にする会社」という評判をますます広める結果となりました。

 

このストーリーのマーケティング効果は、ざっと見積もっても数万ドル以上になるでしょう。45万円の費用でこれだけの効果が得られるのであれば安いものです。

 

 

【参考】

「スタンフォードでいちばん人気の授業」佐藤智恵著 幻冬舎

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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