ブランドのキャラクター①
ブランドが生まれた背景や特徴、顧客にとっての便益などをストーリーでまとめたものをブランド・ストーリーといいます。自社ブランドを買い手に印象付けるためには、自社ブランドに人格を持たせ物語を語ることが有効です。
『ストーリー・ブランディング』(ダイレクト出版)の著者であるジム・シグノレリはブランドのキャラクターを12にまとめました。ブランディングにあたっては、自社ブランドをどれに位置づけるかが求められます。
(1)THE PURIST(ピュアリスト)
純粋で高潔。高度に倫理的で健全かつ模範的。善い人間であること、善い振る舞いをすることを大切にする。
<指針となる言葉>
「すべてのものを思いやりのまなざしでみる」
「善い人が最後は勝利を収める」
「誰も見ていなくても正しいことをする」
<重視する価値観>
調和、平和、楽観主義、シンプルであること、清廉、無邪気、正直、幸福、誠実
<体現する人>
ジュリー・アンドリュース、ミスター・ロジャース、ダイアナ妃、マイケル・J・フォックス、オードリー・ヘップバーン
<ブランドの価値観>
飾り気のないこと、純粋、健康、簡素で心地よい暮らし
<具体的なブランド>
ディズニー、ダヴ、H20、メイク・ア・ウィッシュ基金、セサミストリート、ブリタ・ウォーター・ビュリファイアー、ホールフーズ
(2)THE PIONEER(パイオニア)
個人主義で、自由や冒険、魂を満たす経験を自分1人で追求する。エベレストに登るにしろ、シープ・ラングラー(本格的クロスカントリーカー)で遠出するにしろ、自分の人生を満喫するのに役立つブランドを求める。発明品にいち早く飛びつくのもこのタイプ。
<指針となる言葉>
「私が眠るのは私が死んだときだ」
「旅で重要なのは目的地ではなく旅のプロセスである」
「なぜならそれがそこにあるからだ」(エベレスト登頂を目指した冒険家の言葉)
<重視する価値観>
探求、自由、冒険、独立心、実験、自恃、覇気、挑戦、勇敢、大胆
<体現する人>
アメリア・イア・ハート、クリストファー・コロンブス、ニール・アームストロング、ジーン・キング、スティーヴン・ホーキング
<ブランドの価値観>
発見を促す
<具体的なブランド>
グルーポン、トレーダー・ジョーズ、ザ・ノース・フェイス、ジープ、ディスカバリーチャンネル
(3)THE ENTERTAINER(エンターテイナー)
典型的なおどけ物あるいはおふざけ屋。楽しいことが大好きな自由な魂の持ち主。今という瞬間に生きることだけを望み、それを楽しむ。相手や聴衆の心をつかむ無類の能力を持つ。ユーモアと楽しい時を提供してくれるブランドを好む。
<指針となる言葉>
「笑うのが一番の薬」
「一番価値のない日は笑いのない日」
「笑える人は貧しくない」
<重視する価値観>
ユーモア、自然さ、人を引き付ける魅力、若々しさ、笑い、社交性、軽さ、幸福、楽しさ
<体現する人>
ジェリー・ルイス、ロビン・ウィリアムズ、スティーブ・マーティン、ジェリー・サインフェルド、ジム・キャリー
<ブランドの価値観>
楽しいことやユーモアを通して顧客を楽しませる。
<具体的なブランド>
バズーカ・バブル・ガム、ドクターペッパー、ジャック・イン・ザ・ボックス、ルーニー・テューンズ、ドリトス、M&M‘S、コメディ・セントラル、スニッカーズ、バドライト
【参考】
『ストーリー・ブランディング』ジム・シグノレリ著 ダイレクト出版