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リモートワークの普及で日本の生産性は上がるのか?

■在宅勤務で生産性は上がるか?

 

「新型コロナウィルスの影響でリモートワークが進み、日本企業の生産性があがるのではないか?」という主張があります。確かに在宅勤務が進めば、出勤時間が抑えられ、無駄な会議が控えられるといった効果が見込めるし、育児や介護などで労働参加が難しい人たちにも就業機会が与えられるというプラス面はあるでしょう。

 

しかしながら、在宅勤務が生産性に貢献するかどうかは少し疑問です。新型コロナ騒動によって在宅勤務を続けられている方であれば想像がつくかもしれませんが、毎日自宅で1人で集中して業務を続けるのはかなりつらいものがあります。他人の目を気にしながらのほうが仕事がはかどるという面はあるかもしれません。また、自宅で個人で片付けられる仕事は、所詮ルーティンワークの類であり、付加価値性が高いものは、人との協働が求められることが多いでしょう。

 

米国ではヤフーが2013年に、IBM2017年に、従来推進していた在宅勤務を抑制する方向に転じたといいます。

 

 

IT化しても付加価値は高まらない

 

企業の生産性は「売上(利益)÷従業員数(あるいは総労働時間)」で求められます。売上(利益)は付加価値額にあたります。

 

リモートワークでまちがいなく効率は上がっているという意見もあるでしょう。しかしながら、リモートワークで削減できるようなことは、そもそも付加価値がないこと、言い換えれば売上や利益には直接影響がないことである点には注意が必要です。多くの場合、ITIoT)で代替できるのは、付加価値性のないルーティンワークにすぎないのです。

 

時間の短縮が実現しても、おそらく所定の就業時間の関係で労働時間の絶対数は変わらないでしょう。その一方で付加価値化が図られなければ売上や利益が低下するので、結果的には生産性は落ちることになります。

 

新型コロナの影響で、そもそも無駄なことが見直されることは歓迎すべきことです。しかしながら、無駄の削減で浮いた時間を、新たな付加価値の創造に向けなければ、単に時間の節約になるだけで、真の意味での生産性の向上(企業としての成長)には何も貢献しないことは意識したいところです。

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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(お急ぎの場合は携帯電話までご連絡ください)

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