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両利きの経営①

■強みに特化するという発想では環境変化に対応できない

 

1990年代にベストセラーとなった「コア・コンピタンス経営」以来、自社の強みとなる中核的な経営能力(コア・ケイパビリティ)を深堀して、それを活かした事業を展開することが企業の成長につながるという内部資源重視の考え方が一般的となりました。特に日本の製造業は、独自のコア・ケイパビリティを保有しているケースが多く、内部資源重視の考え方は好意的に捉えられた傾向があります。

 

しかしながら、技術変化など環境の不確実性が高まると、単なる自社のコア・ケイパビリティを軸にした経営は限界を迎えることになります。強みと思われていた経営能力が、環境変化によって無効化してしまうからです。それは日本の大手エレクトロニクスメーカーの凋落にも見て取ることができます。

 

 

■両利きの経営とは

 

このような背景から、両利きの経営が求められるようになりました。これは、「既存の分野を深堀しつつ、同時に新しい分野を探索する」というものです。両利きの経営には、次の3つの能力が必要とされます。

 

  既存事業を深堀する能力

  事業機会を探索する能力

  以上の異なる能力を併存させる能力

 

以前より、組織学習論において、組織の探索モードには「問題主導型探索」と「スラック探索」があることが論じられてきました。

 

簡単に言えば、問題主導型探索とは、目の前に既にある課題や問題を解決するための情報探索・組織学習行動です。課題や問題が解決された時点で情報探索は終わります。これは、平常時に行われる改善活動(低次学習)に相当します。

 

一方、スラック探索は、試行錯誤をし続けながら、新たな探索をし続ける終わりのない学習活動です。このような探索活動は組織にある程度の余裕や遊び(スラック)がないと行われません。

 

この2つの探索モードを併存させることが求められるのです。

 

【参考】

『両利きの経営』チャールズ・A. オライリー、マイケル・L. タッシュマン著 東洋経済新報社

『両利きの組織をつくる』加藤雅則著 英治出版

『組織論』桑田耕太郎・田尾雅夫著 有斐閣

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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