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 「横並び意識」と「判官びいき」

今年の最大の政治的イベントは、国内で言えば夏に行われる参院選でしょう。野党側の体たらくもあり大方の予想は自民圧勝で、場合によっては衆参ダブル選もありうるとの報道が連日紙面を賑わせています。

さて以前より選挙の事前予想が実際の投票行動(選挙結果)に影響を与えることが指摘されており、識者によっては選挙の事前調査を報道すべきではないとの主張も見られます。

実際の投票行動については、バンドワゴン効果とアンダードッグ効果の2つがあります。バンドワゴン効果は、もともと経済学でいうところの外部性(市場を介さずに他の経済主体に影響を与えること)に関する用語です。


■バンドワゴン効果

バンドワゴン効果とは、「ある選択が多数に受け入れられている、流行しているという情報が流れることで、その選択への支持が一層強くなること」です。バンドワゴンとは、パレードの先頭の山車のことで、人々がそれに引きずられていく様を語源としています。つまり「横並び意識」ということです。

選挙について言えば、事前予想である候補が優勢であることが伝えられると、それまで態度を決めかねていた人もその候補に投票し、その結果、その候補が大勝するということです。国政選挙になると、思わぬ形で与党を大勝させてしまうといったケースがありえます。

他に「他社が中国に進出するから我が社も進出する」「他社がカンパニー制を導入したから我が社も導入する」「一番売れている機種を買う」といったこともバンドワゴン効果の例です。


■アンダードッグ効果

アンダードッグ(負け犬)効果とは、「判官びいき」のことです。選挙について言えば、事前予想である候補が劣勢であることが伝えられると、それまで態度を決めかねていた人がその候補に同情し、その結果、その候補の得票が伸びる(場合によっては逆転勝利する)ということです。


■「横並び意識」と「判官びいき」のどちらが勝つか

バンドワゴン効果とアンダードッグ効果はまったく逆の現象であり、どちらが大きく作用するかはわかりません。日本はアンダードッグ効果のほうが大きいとする向きもあるようですが、横並び意識も強いでしょうし、はっきりとした統計結果はありません。

これまでも事前予想を覆すような結果となった例は数多くあります。たとえば昨年夏のギリシャの国民投票では、ユーロ側の緊縮案受け入れ賛成派が優勢の予想に反し、大差で反対派が勝利しました。これはアンダードッグ効果が働いたのかもしれません。

一方、昨年11月22日に投票が行われた大阪ダブル選挙では、府知事選は予想どおり維新の松井一郎氏が圧勝、市長選では事前では有利であった柳本氏を抑え吉村洋文氏が圧勝でした。府知事選ではバンドワゴン効果が市長選ではアンダードッグ効果が働いた結果かもしれません。


■結局は1人1人の判断が大事

バンドワゴン効果もアンダードッグ効果も一種の群集行動です。このブログでも「集団の智恵を引き出すための前提条件」で取り上げましたが、適切な投票結果を導くためには、投票参加者の独立性(集団のメンバーは他者の考えに左右されない)が求められます。

そのためにはそれぞれが十分な知識を持って政策を判断する必要があります。有権者側も「難しくてよく分からない」「政府は説明不足だ」と言っているだけではダメでしょう。
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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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