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人は無能になるまで出世する

経営組織論の2回目です。今回は少しくだけた内容を取り上げたいと思います。

それが事実であるかどうかは別として、「うちの会社の偉いさんは何でこんなにも無能ばかりなんだろう」と嘆息される方々もいらっしゃるでしょう。居酒屋でお馴染みの光景ですね。

さて「人は無能になるまで出世する」はピーターの法則と呼ばれるものです。要はこういうことです。


・平社員が能力を発揮すれば係長に出世する。

・係長に昇進した者のうち、さらにその地位での能力を発揮すれば課長に出世するが、そうでない者は係長に留まる。つまり係長の地位にいる者は、結局は係長としての能力がない者ということになる。

・課長に出世した者のうち、さらにその地位での能力を発揮すれば部長に出世するが、そうでない者は課長に留まる。よって課長の地位にいる者は、結局は課長としての能力がない者ということになる。

・部長に出世した者のうち…(以下、同じことの繰り返し)


かくして役職者はすべからくその地位に沿った能力のない者によって占められるというわけです。サラリーマンのみなさん、会社の仕組みが分かりましたでしょうか(笑)。実は「どんな優れたものでも、より困難な問題に次々とさらされていくうちに、やがては無効化する」という一般現象を、階層組織に当てはめたものなのですね。

もちろんピーターの法則は少し極端な見解(ある種のユーモア)ですが、優れたユーモアはいつも核心を突くものです。たとえば技術系の職種では、管理職コースとは別に専門職コースが設けられているのは、この法則に対する策とも言えなくはない。

さて、ピーターの法則に陥らないためには、どのようにすればよいでしょうか。組織側とすれば、「昇進前の管理者教育を徹底する」「その地位に求められる管理能力を事前に示した者のみ出世させる」といったことが妥当な方策でしょう。

なお著者は、個人側の立場として(自分が無能となる立場に置かれるのを回避するために)、「昇進を断る」「(昇進させられないように)変人ぶりを発揮する」といったどこまで本気かわからないような処方箋を提示しています(笑)。

このような法則(ある種のユーモア)には、パーキンソンの法則(※1)やマーフィーの法則(※2)などが有名です。居酒屋談義のネタくらいにはなるかもしれませんので、お暇なときにネットで検索してみてはどうでしょうか。

【参考】
「ピーターの法則 創造的無能のすすめ」ローレンス・J・ピーター、レイモンド・ハル著 ダイヤモンド社

※1
(第1法則)仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
(第2法則)支出の額は、収入の額に達するまで膨張する
※2
「高価な部品ほど壊れる」「落としたトーストがバターを塗った面を下にして着地する確率は、カーペットの値段に比例する」などが有名。
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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
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