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なぜダイバーシティーは上手くいかないか?

女性や外国人を活用し、組織を活性化しようということがよく言われます。

女性の活用ということでは、1986年の男女雇用機会均等法施行以来、企業内で女性総合職の採用が進みました。多少の改善は見られるものの、残念ながら企業の女性従業員の活用は未だ不十分だと言えるでしょう。男性中心の経営陣・管理職も女性従業員にどう接するか苦慮しているというのが実情かもしれません。

女性や外国人の活用自体はまったく正しいことなのですが、表面的に捉えて安易に導入しても必ずしも成果は期待でません。


■ダイバーシティーとは

「女性や外国人などを積極的に活用し、組織の活性化・企業価値の向上を図ること」をダイバーシティー経営といいます。

ダイバーシティーとは、「人の多様性」のことです。ダイバーシティーには、「タスク型の人材多様性」と「デモグラフィー型の人材多様性」の2つがあります。

「タスク型の人材多様性」とは、実際の業務に必要な「能力・経験」の多様性です。
たとえば「その組織のメンバーがいかに多様な教育バックグラウンド、多様な職歴、多様な経験を持っているか」などが該当します。

「デモグラフィー型の人材多様性」とは、性別、国籍、年齢など、その人の「目に見える属性についての多様性」です。


■良い多様性もあれば悪い多様性もある

ダイバーシティーが組織に与える影響については、イリノイ大学のアパーナ・ジョシ、ヒュンタク・ローの研究などいくつかの研究成果があります。これらから言えることは、「タスク型の人材多様性」と「デモグラフィー型の人材多様性」では、組織パフォーマンスが異なるということです。

具体的には「タスク型の人材多様性」は組織パフォーマンスにプラスの影響を与えますが、「デモグラフィー型の人材多様性」は、組織パフォーマンスに影響を与えないばかりか、むしろマイナスの効果をもたらすこともあるということです。

まず「タスク型の人材多様性」ですが、これは組織に多様な知識をもたらし、それが新しいアイデアや知識の源になり、組織の創造性にプラスの影響を与えるというものです。
こちらは感覚的にもわかり易いでしょう。

一方、「デモグラフィー型の人材多様性」が拡大すると、性別や国籍などで組織内がグループ化してしまい、組織内でコンフリクト(対立)が発生してしまいます。

「多様性=目に見える多様性」と考えるのは、単純かもしれません。よって「多様性=価値観の多様性」と考えても、それは組織の創造性を高めるものの、摩擦の原因にもなることには変わりありません。


■安易なダイバーシティーを進めると?

たとえば女性の視点を取り入れたいということで、10人全員男性の職場に新たに女性を2人入れたとします。この場合、女性2人は少数派として孤立してしまい、やがて離職してしまうか、多数派の男性陣に合わせるようになるかのどちらかになることが予想されます。いずれにせよ視点の多様性は確保できません。これは、まさにこれまで繰り返されてきたことでしょう。
(つづく)

【参考】
『使える経営学』杉野幹人著 東洋経済新報社
『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』入山章栄著 日経BP社

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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