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良い劣等感と悪い劣等感

劣等感は他人との比較で生まれます。劣等感というとネガティブな感情であり、避けるべきものというイメージがあります。しかしながらその一方で、現状に満足していても進歩は生まれないということも事実です。


■自分より優れた人との比較がモチベーションを生む

本ブログの「挑戦意欲を引き出すもの(達成動機説②)」で触れたように、他人との競争よりも自身の成長に焦点をあてたほうが望ましいのですが、そうはいっても自分の成長を測るためには他人との比較がないと難しいことが多いでしょうし、また他人のことは気にするなといってもなかなか難しいものがあります。

他人との比較には2つあり、自分より実力が上の人と比べるのが上方比較、下の人と比べるのが下方比較です。

モチベーションの高い人は、上方比較を用いて「あの人に比べてまだまだ自分は力不足だ」「あの人に負けないようにもっと力をつけなければ」と自分を奮い立たせるため、能力開発が進みます。

一方、モチベーションの低い人は、下方比較を用いて「あの人よりマシ」と自分を安心させるため、なかなか能力が開発されません。



■劣等感を自分の成長につなげるには?

このように他人と比較し劣等感を感じることはモチベーションにとって必ずしも悪いことではありません。しかしながらその一方で、劣等感というと屈折した感情がつきまとい成長につながらないのではないかと思うかもしれません。それはそのとおりで、劣等感にも成長につながる場合とつながらない場合があります。

自分が劣っていることに対して感情的に反応するクセがある人は、自己嫌悪を感じ落ち込んでしまうため、モチベーションが低下してしまいます。そして、それを避けるために下方比較して自分を慰めてしまうのです。

一方、自分が劣っていることに対して認知的に反応するクセがある人は、どこがどう劣っているのか、どうすれば力をつけることができるのかと冷静に頭で考えるため、自己嫌悪を感じてもそれを向上心に結びつけることができます。



■「仕返し」ではなく「見返し」

劣等感というネガティブな感情をモチベーションにつなげるには、感情的なコントロールが必要になります。そこで求められるのは「仕返しの心理」ではなく「見返しの心理」です。

「仕返し」とは、妨害や誹謗中傷などして自分より上の人の足を引っ張るような行為のことです。この場合、人間関係にばかり気を取られ、仕事での成果や能力開発が疎かになります。

一方、「見返し」とは、他人が自分を認めないわけにはいかないほどの実力をつけてみせるといった意気込みです。この場合、仕事の成果や能力開発に集中できるので、高いモチベーションを持って仕事に向かうことができます。


【参考】
『モチベーションの新法則』榎本博明著 日本経済新聞出版社
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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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