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どのように自社商品を位置づけるか(市場ポジショニング)③

ポジショニングで一番に位置づけるといっても、それは顧客にとって価値のある位置づけでなければ意味がありません。今回は、顧客にとっての価値について考えてみます。

■顧客にとっての価値とは

顧客にとっての価値として考えられることには、おおよそ次の9つがあります。

① 効能:それはどのくらい効果的か。
② スピード:どのくらい速く効くか。
③ 信頼性:やりたいことをするために、それを当てにできるか。
④ 使いやすさ:どのくらいの労力が必要か。
⑤ 柔軟性:どれだけ多くのことをするか。
⑥ ステータス:自分への評価に、どのような影響を及ぼすか。
⑦ 美的な魅力:どのくらい魅力的か、美的に喜びを与えるか。
⑧ 感情:それによって、どんな感情がわいてくるか。
⑨ 犠牲:これを手に入れるために、どれだけ諦めなくてはいけないか。



■顧客価値のピラミッド


顧客価値は顧客にとっての価値観の次元によって、次の4つの階層に分けることができます。基本的価値が最も低次元の価値で自己表現価値が最も高次元の価値になります。
顧客価値プラミッド
(1)基本的価値:
商品に対する最低限のスペックを表す。その商品であればあって当たり前のもので差別化の対象にはならない。

<例:石鹸>
「汚れを落とす」

(2)機能的価値:
基本スペックを踏まえたうえで他社との差別化を図れる機能面での価値。

<例:石鹸>
「他社の商品より汚れが落ちる」「より泡立ちが良い」

(3)情緒的価値:
商品を実際に使ってみて感じる感覚的な価値。

<例:石鹸>
色や香り、触ったときの感覚、使用後のさっぱり感

(4)自己表現価値:
最上位の価値で、「自分はこうだと表現してくれる」「こういうような商品を使う階層に所属している」という意味づけをしてくれる価値を示す。

<例:石鹸>
自然素材の石鹸を使うことがエコロジーに敏感だとか、ナチュラルなものを好む優しい人間だということを表現してくれる。

基本的価値や機能的価値は物的属性に関するもので、合理的・客観的なものです。訴求しやすいものの価値が理解されにくい面があります。たとえば世界一軽い石鹸といってもなかなか消費者にはその有り難さが伝わらないでしょう。また、一度は物的属性によって差別化できてもすぐに他社に模倣されたり、追い抜かれてしまったりといった具合に優位性を維持することが難しいという面があります。

一方、情緒的価値や自己表現価値は心理的属性に関するもので、非合理的・主観的なものです。価値は伝えやすいものの根拠は理解されにくい面があります。しかし一度価値が受け入れられれば自社商品のイメージが形成され、優位性が持続する可能性が高くなります。


よって心理的な価値をどのように具体的な機能や物理的属性に結びつけるかがポイントになります。

【参考】
『Personal MBA』ジョシュ カウフマン著 英治出版
『買い物客はそのキーワードで手を伸ばす』学習院マネジメント・スクール著 ダイヤモンド社
『ビジネスマンの基礎知識としてのMBA入門』早稲田大学ビジネススクール著 日経BP社

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
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