fc2ブログ

どのように自社商品を位置づけるか(市場ポジショニング)⑤

「最も重要な決定とは、何をするかではなく、何をしないかを決めることだ。」
スティーブ・ジョブズ

■商品コンセプトのABC

ポジショニングにあたっては、商品コンセプト、すなわち顧客へのメッセージを明確化することが不可欠です。商品コンセプトには、次の3つが含まれている必要があります。

Audience:ターゲット消費者
Benefit:消費者便益
Compelling Reason Why:説得力のある「信じる理由」


■ミシュランタイヤのケース

あなたはミシュランタイヤのマーケターです。あなたの前には2つのコンセプト案があります。さてどちらを選びますか?

ミシュランタイヤの戦略コンセプト(その1)
ターゲット消費者:幼い子供を持つ両親
消費者便益:「ミシュラン」は愛する人の命を守るために最も安全なタイヤである。
信じる理由:2層構造の「ミシュラン」タイヤはどんな気候条件でも道路をしっかりととらえるため、事故が起きにくい。


ミシュランタイヤの戦略コンセプト(その2)
ターゲット消費者:18歳から45歳の大人
消費者便益:「ミシュラン」タイヤはどのような運転状況でも最高のパフォーマンス(性能)を提供する。
信じる理由:2層構造の「ミシュラン」タイヤはどんな気候条件でも道路をしっかりととらえるため、事故が起きにくい。


おそらくほとんどの方は(その1)を選ばれたと思います。消費者の中にポジショニングする(印象づける)ということは、フォーカスするということを意味し、何かを捨て去ることになります。「あれもこれも」「誰も彼も」では印象づけることはできないからです。


■引くことで価値が生まれる

機能を加えたり揃えたりするのではなく、引く(フォーカスする)ことで価値が生まれることがあります。たとえばヘアカットだけに特化したQBハウスや宿泊(快眠)に特化したスーパーホテルが典型例です。「○○専門店」というパターンです。

フォーカスというとリスクが高いように思われますが、先述のように対象を広げてしまっては印象に残らず、かえって購入されなくなる恐れがあります。むしろ努力の対象を絞ることでこだわりが生まれ、それが進化を生むと考えたほうがよいでしょう。

少なくともポジショニングについては次のことが成り立つと言えます。

「-(マイナス) = +(プラス)」
引き算することで新たな価値が生まれる。

「-(マイナス) > +(プラス)」
引き算は足し算に勝る。

「2 > 1」
二兎追う者は一兎も得ず。

「1 > 2」
1つのことを極めれば、逆に世界は広がる。



【参考】
『マーケティングゲーム』エリック・シュルツ著 東洋経済新報社
『引き算する勇気』岩崎邦彦著 日本経済新聞出版社


スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
※ (at) は @ に置き換えて下さい
(お急ぎの場合は携帯電話までご連絡ください)

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR