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「分析をしてから結論を出す」は正しいか?(仮説思考)①

従業員200名の中小洋菓子メーカーのX社のマーケティング部では、新商品についての社長プレゼンが予定されている。X社の業績はこのところ低迷しており、起死回生のヒット商品が望まれているところである。マーケティング部長のA氏は、若手のB君にプランを出すように求めることにした。

3週間後、A部長はB君に中間報告を求めた。

A部長:B君、そろそろ新商品の方向性だけでも聞かせてくれないか。
B君:すいません、部長。まだ情報が十分に集まっていなくて、分析すら十分に
  行えていないんです。
A部長:足りない情報って何なの?
B君:営業部にお願いして取引先のスーパーやコンビニにアンケート調査を依頼
  したのですが、まだXスーパーからの返答が来なくて…。
  しかたがないので自分でXスーパーの支店に立ち寄って観察してみたの
  ですが、それで時間を取られてしまって・・・。
A部長:そういえば、2週間前にも営業部にアンケート調査を依頼していたけど、
   あれはどうしたの?それと先週はずっとインターネットの記事を沢山、
   プリントアウトしていたみたいだけど。
B君:ああ、お菓子と一緒に何が買われているかのショッピングバスケット分析
  のことですね。あまり今回の案件には関係がなさそうなので、再度、別の
  内容の調査を依頼したんです。それと、インターネットに限らず、洋菓子関
  係の新聞や雑誌の記事はもちろん、ファッション誌やライフスタイル提案誌
  の記事など、とりあえず片っ端から集めてみたのですが、どうも使えそうな
  ものがなくて…。
A部長:そんなことを言っていて大丈夫か?社長プレゼンはあと1週間後だぞ。
B君:すいません、部長。あと2、3日で情報が揃いますから、5日後にプランを出
  します。もう少し時間をいただけないでしょうか?

A部長は頭を抱えるばかりであった。



「限られた時間内でそれなりの質の結論を出す」ことが求められるという場面は、一般的なビジネス環境でよく見られます。上司や取引先に何らかの提案をしなければいけないということは、ほとんどの方が経験したことがあるはずです。このような場合、あまり時間がなく、かつ判断材料が少ないことが多いでしょう。

ここでありがちなエラーとしては、「自分が知っていること」「取っ付きやすいこと」から入って全体に広げていくというズームアウト的な視点です。枝葉の部分をやたら細かく分析し、それを全体に拡げようとするということです。しかしながら、分析の段階のどこかでつまずいてしまい、期限内に結論を出せなかったり、雑な結論を出してしまったりといったことが起こりえます。

これと似たようなケースとして、分析のための材料をやたらと集めてしまうというものがあります。インターネットや書籍などで大量に情報を仕入れたり、何度もアンケート調査を行ったりといったケースです。この場合、集められた情報の多くが、結局はほとんど使われないといったことが多いでしょう。また何か集められない情報があると、そこで全体が頓挫してしまうといったことも考えられます。
(つづく)


【参考】
『地頭力を鍛える』細谷功著 東洋経済新報社

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
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