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「分析をしてから結論を出す」は正しいか?(仮説思考)⑤

■日本に電信柱は何本あるか?

就職面接で「日本全国の電信柱は何本あるか?」と問われたら、どのように考え回答しますか?ただし制限時間は3分、電卓やPCは使用不可(紙と筆記具のみ)、一切の情報参照は不可という条件です。

似たような質問として、「シカゴにピアノの調律師は何人いるか?」「都内に信号機は何基あるか」などがあります。

外資系企業やコンサルティングファームなどの就職面接でよく問われるといわれていますが、重要なのは「知っているかどうか」ではなく「どのように考えたか(ロジック)」です。


■因数分解して考える

短時間で回答しなければならず、かなり大胆な仮定を置く必要があります。ここでは「単位面積あたりの本数を市街地と郊外に分けて総本数を算出する」という切り口を考えてみます。

市街地と郊外では単位面積あたりの電柱の本数は違います。市街地と郊外の単位面積あたりの電柱の本数に該当面積を掛ければ全国の電柱の総本数を求めることができます。

仮に市街地を「50メートル四方に1本」、郊外を「200メートル四方に1本」とすると1平方キロメートルあたり、市街地は400本、郊外は25本となります。

次に市街地と郊外の総面積を求めます。おそらく1対4くらいだろうと推定します。日本の面積約38万平方キロメートルのうち、海など電信柱がない部分を除いた部分がまあ30万平方キロメートルくらいかなと推定し、市街地が6万平方キロメートル、郊外が24万平方キロメートルと見積ります。

あとはそれぞれの1平方キロメートルあたりの電柱の本数」に「該当面積」を掛ければ、市街地の電柱の本数が約2400万本、郊外の電柱の本数が約600万本、合計で約3,000万本と求められます(実際は約3,300万本)。


■フェルミ推定とは

このように何らかの推定ロジックで短時間に概数を求める方法をフェルミ推定といいます。原子力の父と言われるノーべル物理賞学者のエンリコ・フェルミが講義でよく学生にこのような課題を与えたことが由来です。

フェルミ推定の基本的なプロセスは次のとおりです。

①アプローチ設定(仮説の設定)
例:面積当たりの電柱本数を日本国土に展開する。

②モデル分解(因数分解)
全体を市街地と郊外に分類し、「面積当たり本数×面積」に分解する。

③計算実行(モデル化)
例:日本の面積を算出し、面積当たりの本数をエリア別にモデル化で算出する。

④現実性検証
例:電柱と統計データとを比較する。

このように見ると、フェルミ推定は、「どんなに少ない情報からでも仮説を構築する姿勢」「前提条件を設定して先に進む力」「時間を決めてとにかく結論を出す力」の仮説思考そのものということが分かります。


【参考】
『地頭力を鍛える』細谷功著 東洋経済新報社

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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