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中国は経済成長しているのか?①

中国国家統計局が19日発表した2016年7~9月期の実質GDP成長率は6.7%で今年1~3月期から3四半期連続で横ばいとなりました。

中国のGDPについては、その真偽が取り沙汰されており、成長率は「6%後半からマイナス3%の間のいずれか」という極めてアバウトな数値でしか捉えられないというのが実情と言えます。中国のGDPは、実は公表値の3分の1程度に過ぎないとの指摘もあります。


■早すぎるGDP発表

GDP統計は、各種統計の加工・2次統計であるので、算出には一定の時間が必要になりますが、中国の早さは飛び抜けていることが指摘されています。

4半期別のGDPの中国の発表時期は約1ヶ月半後で、米国や英国に比べて2週間、日本、ユーロやドイツに比べると1カ月も早いです。国土が広い中国の国家統計技術が格段に高いとは考え難く、最初から発表される値が決まっているのではないかという疑念が生じています。

さらに速報値が修正されずそのまま確報値となっていることが、この疑念に拍車を掛けています
(日本の場合は1次速報・2次速報・確報の流れ)。


■李克強指数

中国の首相である李克強が2007年9月の第一回ダボス会議の席上で、「中国の経済統計、指標は、まったく信用できない。私が(遼寧省のデータで)信用してチェックしているのは、電力消費量、鉄道貨物輸送量、銀行融資額の三つだけ。他の中国の経済統計、とりわけGDPなどは、ただの『参考用数値』に過ぎない」とオフレコで漏らしたとされます。

この3つの指標は李克強指数と言われ、これを用いて中国のGDPを推計する識者も多いです。

しかしながら、この発言は李克強が(重工業中心の))遼寧省のトップのときに発せられたものであり、李克強指数を中国経済全体に適用することはできないという指摘もあります。また、最近は李克強指数自体がGDPに合わせて改竄されているとの向きもあります。


■食い違う統計

地方政府のGDPを合算すれば、中国全体のGDPを求めることができるはずです。しかしながら、2015年度で見ると全国のGDPが67.7兆人民元であるのに対し、地方GDPの合計は72.5兆人民元もあり、4.8兆人民元も上回ってしまいます。このような乖離は以前から見られ、その差は拡大傾向にあります。

このような乖離は国家統計局も認めており、全国GDPと矛盾が生じる地方政府のGDPの集計などやめたほうがよいという意見も中国国内にあるようです。

また2015年度のGDP成長率を産業別で見ると、農林畜産業が約3.6%、工業が約6.0%の成長になっています。

一方で別に発表されている主要27工業製品の生産量を見ると、2015年度上半期に6%以上の成長を達成したのは4製品のみで、13の製品についてはマイナスを記録し、工業製品の生産量の伸びは平均で1%程度となっています。

産業別の成長率の6%と、工業製品別の生産量の伸びに大きな乖離があるのです。


【参考】
『中国GDPの大嘘』高橋洋一著 講談社

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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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