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中国は経済成長しているのか?②

■輸入が大幅減でGDPが成長することはない

先進国における輸入の伸び率を横軸に、GDPの伸び率を縦軸に取って、傾向線を引くと、右上がりの直線になります。すなわち輸入の伸び率が高くなるほど、GDPの伸び率も高くなるのです。

これは経済学では国内経済が拡大していると、国内生産だけでは追いつかず、海外からの輸入に頼るからであると説明されます。あるいは国内の生産活動が活発化すると、原材料などの海外からの輸入が増加するからです。

また各種の経済統計はごまかしができても、貿易統計はごまかしようがありません。なぜなら相手国の対中国輸出入統計を足し合わせれば中国の輸出入統計を算出することができるからです。

2015年度の中国の輸入額は14.1%の減少です。輸入が10%以上のマイナスにもかかわらず経済成長したケースはなく、逆に輸入の減少率から推計される経済成長率はマイナス3%になります。

なお中国の輸入減の原因は数量的なものではなく資源価格の下落によるものなので心配はないとの指摘もあります。しかしながら仮に輸入減の原因が資源価格の低下によるものだとし、国内総生産(GDP)の伸びがプラス6.9%(2015年度)だとしたら、中国国内は猛烈なデフレになっていなければならず、どのみち経済状態はかなり悪いことになります(あるいは辻褄が合わない)。


■マジック並みに安定的な経済成長率

そもそも実質GDPの成長率が3四半期連続で6.7%で変わらないなどということがあり得るのかという問題もあります。

この10年のGDPの中国の成長率を先進国と比べると極めて安定的であることが目に付きます。GDP成長率で変化率が少ない国をランキングすると、(経済成長がほとんどない)最貧国か共産主義国(ラオス、ベトナム、中国)が上位に名を連ねます。

中国のような多額の国際取引を行っている国が、海外経済の影響を受けずに安定的に経済成長を実現しているとは考えにくいものがあります。


■体制が崩壊しない限り事実は分からない

中国の国家統計は旧ソ連をモデルに作られています。ソ連は1928年から1985年までで公式にはGDPが90倍、平均成長率は8.3%としていましたが、体制崩壊後に実はそれぞれ僅か6.5倍、3.3%に過ぎなかったことが判明しました。ソ連のGDPは公式発表されたものの半分に過ぎなかったのです。

同じ共産主義国の中国の場合も体制が崩壊しない限り実際の経済規模や成長率が判明することはないのかもしれません。



【参考】
『中国GDPの大嘘』高橋洋一著 講談社
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プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
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