FC2ブログ

正しい目標設定④

目標に対する意欲は、失敗に対する態度によっても異なります。たとえば失敗を過度に恐れるタイプであれば、あまり高い目標を目指そうとしないでしょうし、逆に失敗を恐れない、失敗も経験のうちだと解釈するタイプであれば、高い目標を受け入れ意欲的に取り組むでしょう。


■学習目標と業績目標

達成目標には、学習目標と業績目標の2つがあります。

学習目標とは、何か新しいことを理解したり習得したりできるように自分の能力を高めようとする目標のことです。

一方、業績目標とは、自分の能力を肯定的に評価されたい、あるいは否定的な評価を免れたいという目標のことです。

たとえば、新たな部署に配属された場合、学習目標を持つタイプは、その部署で必要な知識やスキルを獲得して能力を高めたいと思い、あらゆることに積極的にチャレンジして学ぼうとします。能力を高めたい、成長したいという思いが強ければ、困難に直面しても「これも勉強だ」「成長するチャンスだ」と思って粘り強く積極的にチャレンジできます。

一方、業績目標を持つタイプは、その部署で能力を評価されたい、できないヤツと見られたくないと思うため、できそうなことには積極的でも、上手くできそうにないことには消極的になる傾向があります。


■業績目標ではなく、学習目標を持つ

能力の向上を求める学習目標を持つタイプは、失敗しても「これも経験のうち。悪いところを直して次は上手くできるようにしよう。」とかえってモチベーションが刺激され、熟達を目指す挑戦的な反応を示します。

一方、能力への肯定的な評価を求め、否定的な評価を避けようとする業績目標を持つタイプは、自分の能力に自信があるかどうかで反応が異なります。

自分の能力に自信がない場合は、失敗するとモチベーションが一気に低下し、無力感に浸り、挑戦を避けようとします。

自分の能力に自信がある場合は、失敗によってもモチベーションが刺激され、熟達を目指す反応を示す場合があります。
「自分だったら同じヘマをやらずに、今度は能力を見せつけてやるぞ」というわけです。もっとも結局は自分の有能さを傷つけない範囲での話ですから、自分の能力以上と思われる目標なら、せっかくの成長の機会であっても回避する傾向があります。

少しまわりくどくなりましたが、結局は業績目標を持つタイプは、受け入れられる目標の難易度は自分の能力に依存してしまい、失敗を前向きに捉えることができる学習目標のほうがより高い目標を受け入れ、粘り強く取り組むことができます。

よってモチベーション・マネジメントの観点からは、できるだけ部下に業績目標ではなく、学習目標を持つように促すことが求められます。


【参考】
『モチベーションの新法則』榎本博明著 日本経済新聞出版社
スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

三枝 元

Author:三枝 元
1971年生まれ。東京都在住。読書好きな中年中小企業診断士・講師。資格受験指導校の中小企業診断士講座にて12年間教材作成(企業経営理論・経済学・組織事例問題など)に従事。現在はフリー。
著書:「最速2時間でわかるビジネス・フレームワーク~手っ取り早くできる人になれる」ぱる出版 2020年2月6日発売
「中小企業診断士のための経済学入門」※絶賛在庫中!
連絡先:rsb39362(at)nifty.com
※ (at) は @ に置き換えて下さい
(お急ぎの場合は携帯電話までご連絡ください)

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR